ASAO健康井戸端会議の議長を務める 金森 忠一さん 金程在住 80歳
地域の温かさに感謝
○…アルコール依存症や認知症、うつ病など、心の病を支援する当事者、家族の会8団体で構成される「ASAO健康井戸端会議」。1991年5月の発足以来、心の健康づくりを目指して、毎年講演会を実施している。2月12日には認知症をテーマに2年ぶりに講演会を開催。「病気や会のことを当事者、家族に知ってもらえれば」と活動について語る。
○…若いときから酒好きで、仕事終わりに飲んでは頻繁に深夜に帰宅する日々。妻から「入院して」と懇願された。検査へ行くも依存症の診断はくだされず、泣いて悔しがられた。「子どもを連れて逃げられると思って」。やめるふりをして川崎断酒会新生会麻生支部に入るも、当初は隠れながら飲んでいた。会の先輩や参加する家族に親切にしてもらうと「居心地が良くて、居場所ができた」とやめることができた。それから31年。一切の酒を断った。「家族の協力があってこそ。やめて周りのことが考えられるようになった」と笑顔で語る。
○…議長に就任したのは1996年。同支部に所属し、同会本部事務局や、神奈川県断酒連合会の会長を務めていたことから「みんなに無理やり声をかけられて」と苦笑する。専門の講師を迎えた講演会のほか、親睦を兼ねた交流会なども行っている。「横のつながりもできている。地域とのつながりを持てたことが一番」と同会議への充実感を滲ませる。
○…若い時は山小屋で仕事をするなど、スキーや自然に魅了されてきた。持病が良くなり、コロナが収束したら「山歩きに行きたい」と願う。断酒会や、井戸端会議を通じて地域の温かさを感じるようになった。今後は「この活動を若い世代につなげていくこと」が目標だ。
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