第94回選抜高校野球大会の開幕式で国歌を独唱する 板戸 耀央(いたどあきひろ)さん 桐光学園高校3年 18歳
思い出胸に、目指すは世界
○...3月18日に開幕する高校野球、春の「センバツ」。球児たちの憧れの舞台で、国歌を独唱する大役に選ばれた。「甲子園」というと学校の先輩、松井裕樹投手(東北楽天)が会場を湧かせていた姿を思い出す。大舞台で歌うことに「うれしいの言葉ではまとまりきれない思い。選手へ応援の気持ちを込めたい」と凛々しい表情を見せる。
○...音楽大学出身の母の影響で、3歳からピアノを始め、さまざまなジャンルの歌を歌うことが好きだった。桐光学園中に進学すると、音楽の授業で先生に「いい声をしている」と誘われ、合唱部へ。入部すると、ほかの人と「ハモる」楽しさに出合った。先輩の姿にも刺激を受け、めきめきと腕をあげる毎日。「部活で学んだことは人間関係」と言い切るほど、仲間と濃い時間を過ごしてきた。高1のとき、同部はNHK全国学校音楽コンクールの全国大会に初出場。「悲願達成と、台風による延期を経てステージで部員と一緒に歌えたことが、印象深い」と振り返る。
○...音大進学を志し、高校生になると、部活動と並行して個人でレッスンを受けるように。昨年12月には「全日本学生音楽コンクール」で1位に輝いた。一番に意識したのは「自分が満足できること」。「演奏中に倒れそうになった」ほど緊張したが、イタリア語の歌を高らかに歌い上げた。
○...この3月で6年過ごした学び舎を去る。今の心境を「寂しさと、前を向かなきゃという気持ちでごちゃまぜ」と吐露する。今後は音大の声楽科に進学予定。目標は「世界で通用する歌手」だ。「観客に、感動以上のものを与えられるようになりたい」とその目は輝く。夢中になれる歌と出合い、夢を見つけた学校での思い出を胸に、次の階段を駆けあがる。
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