地域で日常生活の困りごとの相談、高齢者や子どもの見守り・支援などを行うボランティアの「民生委員・児童委員」。市内9管区の中で、定数に対する充足率が麻生区は79・4%と最も低いことが本紙の調べでわかった。今年12月に改選を迎える前に、麻生区民生委員児童委員協議会では、その存在や役割を知ってもらおうと広報活動を続けている。
民生委員・児童委員は、厚生労働大臣の委嘱により各市区町村に置かれ、任期は3年。川崎市では各自治会・町内会の推薦により選出される。
市内9管区の委員定数は、世帯数により条例・規則で定められ、市内全体の充足率は83・1%。市の担当者は「政令指定都市の中でも割合が引い。世帯数の増加による定数の増加に、各地域の委員の数が追いついていない状態」と分析する。9管区中、宮前区が96・6%と最も高く、麻生区が79・4%と最も低い。麻生区協議会のメンバーは「高齢化率が市内で一番高く、困りごとなどを家庭内で解決し、民生委員・児童委員を必要としていない人もいるのでは」とその要因を語る。
区協議会では「民生委員・児童委員の日」である5月12日に区役所前でその存在を知ってもらおうと啓発活動を実施。自治会・町内会に依頼し、チラシを配布するなどPR活動を続けている。
「やりがいある仕事」
区協議会の今富子会長は「地域とのつながりが大事。相談された際の専門機関とのパイプ役」と役割を話し、「相談を受けて、その家族が前向きに生活できるようになるのが一番」とやりがいを語る。ほかのメンバーも「親がお世話になったので恩返しで」「地域で声を掛けてもらえるようになった」と充実感をにじませる。
今年12月には委員の改選を迎える。市民児協でも、各管区の活動をPRする番組を4月からかわさきFMでスタート。周知活動を続けている。「『忙しい』『大変』というイメージを持つ人が多い。地域の人たちを見守り、気づき、寄り添うだけ。無理してがむしゃらにやることはない」と今会長。「人に優しくできる人になってもらえたら」と呼び掛けている。
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