2019年の東日本台風で浸水被害を受けた川崎市市民ミュージアム(中原区)。収蔵品のレスキュー作業が続く中、修復が完了した映画を9月2日(金)、多摩市民館大ホールで初上映する。
上映作品は1967年に公開された「河 あの裏切りが重く」。戦後に広島に向けられた社会の偏見、戦後20年という時間の流れに翻弄される被爆者の姿を描いている。ドキュメンタリーとフィクションを横断する実験的な手法を使った社会ドラマ作品で、森弘太監督から寄贈された原版のネガフィルムは同ミュージアムにしかない貴重なものだった。
森監督をはじめ、国立映画アーカイブや広島市映像文化ライブラリーらの協力を得て、デジタル上で作品を修復。再びフィルムに焼き付ける「フィルムレコーディング」という工程を経て、35ミリフィルムで蘇った。午後6時半上映開始(6時開場)。8時15分ごろ終了予定。定員200人で無料。応募者多数の場合抽選。申し込み方法は同ミュージアムウェブサイト。締め切りは8月23日(火)午後4時。問い合わせは【電話】044・754・4500。
収蔵していた1万3301点の映画作品のうち、4月30日時点で1033点が修復済。優先的に行われたという同作品の修復については、応急処置を経て2021年9月に作業を始め、22年3月末に完了した。同ミュージアムの担当者は「レスキューの成果を市民の皆さまにご覧いただける日が来たのはうれしい。多くの人に作品をいち早く見てほしい」と呼びかける。
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