麻生区将来人口推計から読み解く平成30年度川崎市予算案 川崎市議会議員 おいぬま純
平成29年5月発表の「川崎市将来人口推計」によると、麻生区の総人口のピークは平成42年に迎え、0歳から64歳までは既に減少傾向にあり、区の中心を担うのは65歳以上の「老年人口」となる事が推計として示されています。全人口に占める「老年人口」の割合が21%を超えると「超高齢社会」となりますが、推計最終年度である平成72年は実に36%を超えるとされています。
こうした状況の中、2月6日、川崎市平成30年度予算案が示されました。現状の課題解決が図られる事が先決ですが、将来に向けた舵取りを視野に入れる事が重要と考えます。将来人口推計が示されてから最初の予算組みである為、3月に開催の予算審査特別委員会をはじめとする今後の議会の位置付けは、「将来にむけて」という色が濃くならなければなりません。
超高齢社会への対応
地域包括ケアシステムの構築・健康寿命の延伸施策等として介護・障害福祉サービスの充実等が挙げられますが、その担い手も高齢者の占める割合が増える事が予測されます。福祉人材確保対策として外国人介護人材の定着支援が示されました。また要介護度等の改善・維持を担う介護サービス事業所への介護報酬の仕組み改善の取組は一層の注視をして参ります。
人口減を発端とする「空き家」対策
「住宅基本計画」では、人口ピークまでに対応するストックは確保しているとあります。しかし、「住みたい住宅」とのミスマッチにより賃貸契約が1年以上されない住宅が多く存在します。高齢者向け住宅としてのリノベーションや、将来に渡って住み続けられる戸建住宅へのシフトが重要と考えます。地域に深刻な影響を与えかねない「特定空き家」は現状指定されていませんが、それに準ずる住宅に対する施策は急務です。また、宅地として提供される「農地」についても減少を食い止める事が必要です。生産緑地の指定要件緩和等、検討が進み、麻生区特有の「農のある風景・防災農地の拡大」は区の将来像に対して有効であると考えます。
買い物弱者への対応
国の方針では介護保険を活用した「要介護者送迎サービス」に加え、運転免許証自主返納者等も含めた商店街やいこいの家等への送迎が可能になります。本市では未検討段階ですが、コミュニティ交通・公共交通施策と絡めた大きな展開を強く推進して参ります。将来人口推計では超高齢化が示されていますが、あくまでも推計。取組如何では問題解決も十分可能です。「子ども・若者応援」や「市内中小企業活性化」等、各世代が最大限のポテンシャルを発揮できる環境づくりが、来年度予算でどうスタートするかを議会で追求します。
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