川崎市内で約250年前から栽培され「かわさき農作物ブランド品」にも指定されている「多摩川梨」の収穫が始まる。今年は例年よりも早く、甘みのある梨が食べられるという。
「多摩川梨」は市内で生産された梨の総称で、江戸時代中期に川崎区の方面から本格的な栽培が始まったという。その後、中原、高津、生田と栽培地は広がり、大正時代には川崎は関東屈指の梨の産地となった。工業都市化や第二次世界大戦の影響で梨畑は減少したものの、復興させようと市は果樹苗導入に助成を実施。1963年には市内で125万平方メートルの梨の栽培面積を誇った。高度経済成長により再び栽培面積は減少し、現在は市内約29万平方メートルで栽培されている。
麻生区内では現在、十数軒の農家が梨を栽培。早野の「金子梨園」では金子昇さん(80)が30年以上、約5000平方メートルの農地で大小さまざまな梨を育てている。
糖度12以上の梨も
金子さんによると、今年は例年に比べ実が成るのが早いという。「3月の彼岸の頃には花が咲いていた。雨量もちょうどよく、今まで以上に早く甘い梨が収穫できる」と金子さんは話す。金子梨園では、今シーズンは「夏水」「香麗」といった種類が7月20日頃には出荷できる見込み。今月中には「幸水」「築水」も収穫できるといい、その後も「秀玉」「新高」などの種類が楽しめる。金子さんは「甘い梨の標準となる糖度12以上の実もできている。麻生育ちの梨を味わって」と話している。多摩川梨は直売やセレサモスで購入可能だ。
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