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麻生区版 公開:2019年2月1日 エリアトップへ

横浜市営地下鉄 新百合ヶ丘まで延伸へ 川崎市内のルートは3案

経済

公開:2019年2月1日

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概略ルート・駅位置イメージ
概略ルート・駅位置イメージ

 横浜市の林文子市長と川崎市の福田紀彦市長が23日、横浜市役所で会見を行い、横浜市営地下鉄ブルーラインあざみ野(横浜市青葉区)―新百合ヶ丘間の延伸事業化を発表した。両者は2030年の開業を目指すこと、延伸区間に4駅が新設されることなどを明らかにした。

 地下鉄延伸について両市ではこれまで、2011年度の覚書の締結、14年度から基礎調査を開始するなど、事業化に向けた取り組みを実施。会見では、事業の整備効果や費用対効果が認められたことなど、延伸決定を判断した経緯などが発表された。

 両市にまたがる延伸区間は約6Kmで2030年の開業を目指す。林市長は「地域に喜んでもらえる路線にするという両市の考えは一致していた。延伸によって結びつきがより強固になる」とコメント。福田市長も「メリットが高くなるよう検討を進めてきた。引き続き早期の事業着手に取り組みたい」と期待を寄せた。

新駅は東側ルートが有力

 延伸区間には4つの新駅を設置。横浜市側は嶮山付近とすすき野付近の設置を計画し、ルートも固まっている。川崎市側は終点となる新百合ヶ丘駅南口付近まで3つのルートが示された。3案は新駅の場所が異なり、「東側ルート」はヨネッティー王禅寺付近、「中央ルート」は王禅寺公園付近、「西側ルート」は白山付近に新駅を想定している。

 3案とも費用対効果や事業採算性が認められ、実現可能なルートだとしているが、より整備効果が高い「東側ルート」が有力と説明。これは川崎市のまちづくりや地域交通に関する視点から検討を行い、総合的に評価したものだという。

 川崎市は今後、市民への情報提供や意見を聞いた上で2019年度中に1案を選定する計画だ。

鉄道ネットワーク広域化

 地下鉄延伸が決まったことで横浜市と川崎市北部、それに多摩地域を加えた広域的な鉄道ネットワークが誕生する。福田市長が「非常に意義があり、ダイナミックな交通ネットワークが動き出す」と語ったように、災害等による輸送障害発生時の代替経路が確保される。多摩地区を含め、新幹線駅である新横浜駅へのアクセス機能が強化されるなど整備効果が想定される。

 延伸区間の1日あたりの需要予測は約8万人を見込む。新百合ヶ丘駅からあざみ野駅間は路線バス利用で現在約30分のところ、約10分に短縮。新百合ヶ丘―新横浜間は町田駅経由の約35分から乗り換えなしの約27分となる計算だ。

 事業費は約1800億円を概算で算出。川崎市からは215億円を補助するほか、国からの補助を385億円見込み、横浜市が一般会計から575億円、事業主体となる横浜市交通局の企業債で625億円を捻出する。事業収益は横浜市側に入り、概ね30年程度で黒字化を見込んでいるという。

さまざまな意見

 地下鉄の事業化決定に伴い地域の期待も膨らむ。区内の学校法人や各種団体関係者らが早期着工、完成を呼びかける「地下鉄3号線延伸早期完成期成同盟会」を新たに設立。代表発起人を務める桐光学園の小塚良雄理事長は「麻生区民として長年待ち望んできた事業。両市が合同で延伸を発表したことは大変前向きに感じている。応援組織として早期完成を後押しし、開通まで見届けたい」と意気込みを語る。

 一方地域からは慎重な意見も挙がる。「新駅が出来ればその地域の価値は上がると思うが、買い物客の流出もあるはず。住民と商店主では異なる思いがあるのでは」(候補3ルート近隣の企業関係者)、「優先ルートは麻生区以外に宮前区、多摩区の区境。まちづくりの面で課題も生まれそう」(区内在住者)といった声も聞かれた。

覚書に署名した福田川崎市長(写真右)と林横浜市長(同左)
覚書に署名した福田川崎市長(写真右)と林横浜市長(同左)

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