今月25日に市教育文化会館田島分館で行われる講演会「恋する万葉集」の講師を務める。 丸岡 良雄さん 横浜市在住 73歳
古典は人生哲学の宝庫
○…「源氏物語」や「平家物語」、「奥の細道」など川崎市各地でシニア向けに無料の古典講座を開講して13年。戦後の混乱の中で学びたくても学べなかったシニア世代向けに講座や講義を開き、古典文学の楽しさや奥深さを教える。「いきいきした表情で僕の話を聞いてくれる。教える側としてこんな嬉しいことはない」とやりがいを語る。
○…子どもの頃からの夢だった国語の教師となり、川崎市立商業高校などの教壇に立ってきた。「授業をやっているときが本当に幸せな時間だった」と当時を振り返る。定年を迎える1年前、地域の方に学校を開放し、古典の開放講座を行った。講座には定員を大きく上回る人が集まり、真剣な眼差しで講座を聞く姿に「砂地に雨が染み込む、そんな感覚に襲われた」。定年後、縁あって古典講座を講師の依頼が舞い込み、「あのときの気持ちがずっと忘れられなかった」と快諾。「多くの人に古典文学の楽しさを伝える仕事ができて本当にうれしい」と話す。
○…夫人と娘、息子の4人家族。憧れの人物は松尾芭蕉。「人間としての幅も広く、女性だけでなく男性にも好かれ、マネージメント力も優れている。そしてなにより死ぬまで常に前へ前へと進もうとする姿が魅力的。本当に尊敬できる」と声を弾ませる。先日も2泊3日で「奥の細道」のゆかりの地を巡る芭蕉の旅をしてきたという。「今後も暇を見つけて芭蕉の足跡をたどっていきたいね」
○…今月25日に講演する『恋する万葉集』では、万葉集の時代背景や恋愛模様などを解説しながら、現代に照らして話をするという。「恋愛事情はいつの時代も同じ。ウタにこめられた気持ちを汲み取りながら万葉集を解りやすく解説し、楽しんでもらいたい」と意欲を見せる。「古典は人生のピンからキリまで教えてくれる。人生哲学の宝庫」。今後も古典文学の楽しさや魅力を様々な角度から伝えていく。
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4月12日
4月5日