川崎市では今夏、首都圏の深刻な電力不足に対応するため、使用最大電力の15%以上の削減に取り組んできた。このほどその結果が発表され、大口施設で約29%、小口施設で約21%の削減に成功した。
市では「電力不足対策基本方針」と「電力不足対策行動計画2011夏期版」を策定。夏のピーク時間帯(午前9時から午後8時)の使用最大電力を、昨年より15%以上削減することを目標に取り組んだ。主な節電手法は「庁舎内の冷房設定温度を28℃にする」「電球のLED化」「エレベータの運転台数削減」「屋外スポーツ施設の夜間利用の隔日開放」など。
その結果、市役所本庁舎や川崎市立病院など市内に約40ある契約電力500kW以上の大口施設では28・6%、行政サービスセンターなど約960ある契約電力500kW未満の小口施設では20・6%の削減を達成(7月・8月平均)。電力使用制限の緩和を受けていた医療関係や上下水道などを除いた大口施設の削減は39・2%となった。
なお、市の区域全体の達成状況は把握できていないというが、東京電力管内(7月1日〜9月2日)では、ピーク時需要の対前年比で約18%の削減となった。
市地球環境推進室では「目標を大きく上回ることができ、十分な結果が得られた」と話した。
今後は総量減を目標に
川崎市ではこの取り組み結果を踏まえ、秋期の川崎市電力不足対策基本方針を策定。秋以降も市民・事業者・行政が一体となって節電対策を行い、地球温暖化対策にもつなげていく。
夏期に利用制限されていたエスカレーターやエレベータなどは、市民から「不便だった」との声もあり、高齢者や障がい者などにも配慮しながら、制限を緩和していく。また、停電を回避するためのピーク時を中心とした節電から、常時、電力消費量の総量を削減することへ移行していくとのこと。
同室は「節電意識を一層定着させ、電力多量消費型のライフスタイルからの転換を促し、地球温暖化対策にも繋げたい」と話している。
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