川崎市消防局 ドクターカーを試行運用 日医大武蔵小杉病院と連携
川崎市消防局は、日本医科大学武蔵小杉病院(黒川顯院長)と連携し、医師が直接救急現場にかけつけるドクターカーの試行運用を市内で初めて開始した。傷病者の救命率向上を目指す。
試行期間は8月10日から約半年間で、その後課題などを検証し本格運用を目指すとしている。導入のきっかけは、同病院から市消防局への提案から。日本医科大学付属は3病院で既にドクターカーの運用実績があり、武蔵小杉病院でも必要性を感じていたという。
一般の救急車では、搭乗する救急救命士による処置しかできないため、搬送中に病状が悪化したり死亡したりするケースがあるという。これに対し、ドクターカーは医療器具などを搭載し、医師が救急現場にかけつけ処置を行うことができるため、救命率の向上が期待されている。
これまで川崎市では、現場に医師を派遣する必要があった場合、日医大武蔵小杉病院、市立川崎病院、聖マリアンナ医科大学病院の3院の救命救急センターと連携を図ってきた。しかし「大型工具等に身体が挟まり動けない」など傷病者を病院まで搬送できないことが前提で、実際の派遣は年に数回程度だった。また既に救急患者がいた場合などは、迅速な派遣が難しいケースもあった。
このドクターカーは医師や看護師、救急救命士が待機し、市消防局や救急車からの要請があった場合、直ちに現場に急行できる。
出場3件 早くも成果
試行開始から約2週間経った9月4日現在、ドクターカーが出場したのは4回。高齢者が餅を喉に詰まらせ窒息死の危機が迫る中、ドクターカーが出場し一命を取りとめたというケースもあったという。
日医大武蔵小杉病院救命救急センター長の松田潔氏は「救命には医師が早く処置をすることが何よりも大切。最近は高層マンションも増え、タンカに患者を乗せエレベーターを利用するのにもかなりの時間を要することがある。その場合、医師が現場で処置できれば救命率は高まる」と話す。
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4月12日
4月5日