消防局 救急搬送に新システム 情報端末で病院を検索
川崎市消防局は4月1日から、救急隊の搬送時間短縮のために新しいシステムの運用を始めた。患者の受け入れ可否などの情報を端末で確認し、効率的に搬送先の病院を選定できるという。
現行の救急搬送では、消防署が朝夕の2回病院に電話で空き状況を確認し、その情報をもとに活動中の救急隊が搬送先の病院を決めていた。ただ、最新の情報を更新することができず、搬送する度に病院に確認を取っていたため、現場で滞在する時間が長くなる要因となっていた。
川崎市は07年からの3年間、重症患者の救急搬送について「現場滞在時間30分以上」の割合が16%台で全国の政令市と東京23区の中でワースト1だった経緯がある。市は改善策に取り組み、12年には11・5%にまで下がったものの、13年は救急車出場件数が過去最多の62661件を記録した。
こうした状況を踏まえ、今回導入されたのが「救急医療リアルタイム情報システム」。救急車に取り付けられたタッチパネル型の端末を通じて、最新の情報を確認できるようになった。救急隊が直接入力して情報を更新できるのが大きな特長。各病院に問い合わせた情報や現場で入手した情報を各救急隊が共有できるようになる。搬送履歴も確認できるので搬送の集中を防ぐこともできるという。
市消防局によると、従来の電話連絡は継続する。患者がかかりつけ医や特定の病院を希望した場合は、システム上で搬送が不可能と判断されても電話連絡を入れて対応するとしている。市消防局の担当者は「まだ実際の使用件数は少ないが、パネル操作した実感としては待機時間短縮につながると思う。期待している」と話している。
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4月12日
4月5日