川崎酒販協同組合(織川弘理事長)の有志の30店舗が10月1日から31日まで、神奈川県産酒13銘柄を販売する。手に入りにくい県産酒の販売でコンビニやスーパー、量販店との差別化を図り、加盟店舗の販売促進と組合の活性化につなげたい考えだ。
期間中はモンドセレクションで5年連続金賞に輝いた清水酒造(相模原市)の「巖乃泉」や井上酒造(足柄上郡)の「箱根山」など、県内にあるすべての酒蔵からそれぞれ1銘柄の日本酒が店頭に並ぶ。どれも生産量が少なく、コンビニや量販店に出荷される例は稀。「一般の酒販店でも取り扱ってこなかった貴重なものばかり」と織川理事長は胸を張る。
キャンペーン実施の背景には、大量入荷が可能なコンビニやスーパー、量販店による酒類販売の台頭がある。近年は安価な酒類を求めた利用客がコンビニなどに流出し、一般酒販店は苦戦を強いられてきた。閉店する店舗も増えた。組合員数は5年前の371人から、294人にまで減少している。
対策として同組合では、仕入れ値抑制が可能となる「共同購買事業」を5年前から始めた。次の一手として、今回の販促キャンペーンに打って出た。
事前に参加店対象の「販売促進講習」や「酒セミナー」を開催。販売の質向上にも力を注いだ。キャンペーン開催に向け織川理事長は「品揃えや対面販売で『酒屋』の良さを改めてPRしたい」と意気込んでいる。
なお、店舗によって取り扱う銘柄が異なる。問い合わせは川崎酒販協同組合事務局(【電話】044・222・5080)。
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