特別支援学校に子どもたちを通わせる親たちを中心に、重度障害者の学校卒業後の夕方支援の充実を求める署名活動が展開されている。昨年暮れに桜本で開いた集会では、保護者たちの切実な声が聞かれた。
「仕事で辞めざるを得ない」
「卒業後の放課後支援を考える会」は、四谷上町在住の伊東悦子さんらが中心となって昨年暮れに発足した。
障害のある児童・生徒の放課後支援は、タイムケア事業と放課後等デイサービス事業によって午後6時前後まで行われている。ただ、高校を卒業し、生活介護施設などに通うようになると、支援がなくなり、午後3時30分頃には帰宅するようになる。雇用環境を理由に帰宅時間が早まっているという。そのため「学校時代は苦労して何とか協力し合って就労を継続してきたにもかかわらず、卒業後、仕事を辞めざるを得ない」「介護負担が増える」といったケースが後を絶たない。
12月23日には桜本で「卒業後の夕方支援を考えるつどい」を開催。子どもを支援学校に通わせる保護者ら40人が集まり、実体験を語った。「進路相談や個人面談は4時以降に行われるので、兄弟のために動ける時間が制限される」「3時から6時は主婦からすると忙しい。少しの間だけでも預かってもらえるといっぱいいっぱいにならなくてすんで助かる」といった切実な声が聞かれた。自身が入院することになり、子どもを誰に預けるか悩んだ話や両親の介護のために苦労した話なども聞かれた。また、「子どもたちにとっても放課後支援の場はリフレッシュする場ともなっている」と指摘する声もあった。
「保護者にとってはまったなしの問題」と伊東さん。別の発起人の一人は「障害者も人、家族も人。人が人として生きるには親も子も『疲れたね』『頑張ったね』と言い合える当たり前の生活をするためにも、通所施設のケア体制確立が必要ではないか」と訴えた。
同会ではまずは1月末まで署名活動を展開し、市議会への働きかけを行う。
署名活動は事務局の社会福祉法人 青丘社高齢者・障がい者生活サポートネットワーク ほっとらいん(【電話】044・270・6127)でも行っている。
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