年頭にあたり、本紙では大谷雄二区長への新春インタビューを行った。大谷区長は質問に答え、昨年の区政の振り返りや、2015年に取り組む重点施策について語った。
―昨年4月に区長に就任されて、9カ月がたちました。2014年を振り返って、どんな年でしたか。
「9カ月があっという間でした。私自身、区の仕事に関わる経験は初めてでしたので、起こることすべてに新鮮な驚きを感じました。
区行政の特徴は、区民の皆様が常に目の前にいる、ということです。区民と接する機会が多く、皆様のパワーをじかに感じ、圧倒された9カ月でした」
―子育て、待機児童問題について、どのように感じていますか。
「9月に教育文化会館で開催した『子育てフェスタ』には感激しました。1606人の方にご参加いただき、親御さんがどんなことを求めているのか、現地で感じることができました。
民間の保育園や、たくさんのボランティアの方々にご協力いただき、区民の方々の『みんなで子どもを育てていこう』という雰囲気を感じられたのも、収穫でした。
また、待機児童対策では、区の職員が自ら寄り添って親身に相談に乗っている姿が印象的でした。保護者をどうにかしてあげたい、という気持ちが出ていたように思います。この先も待機児童ゼロを目指して区政に取り組んでいきたいと考えています」
―高齢者対策についてはいかがでしたか。
「行政としては見えづらい一人住まいの高齢者の方に、どのように社会へ参画していただくかが大きな課題です。
課題解決のためにまずは、地域団体との情報共有をより大切にしていきたいと考えています。一人暮らしの高齢者を地域の中に迎え入れて、『一人ぼっちじゃない』と感じてもらうことが大切だと思います。
また、元気な人には今よりも元気になっていただきたい。大師サマーフェスタや東海道を活用したウォークラリーは毎回多くの方にご参加いただいています。横浜市では『ウォーキングポイント事業』という、歩数計を使った健康づくり事業も始まっています。川崎区でも、もっとシステマチックに事業展開を行うことで、元気なお年寄りをさらに増やせるのではないかと思案しています」
「歴史文化と花のまち」目指す
―区政の課題は。
「世代間交流が必要だと感じています。各種イベントは実施していますが、どうしても年代ごとに独立したものになってしまいがちです。
例えば、高齢者イベントに子育てイベントをくっつけたり、若い人達を呼び込む仕組みを作ったりできれば、さまざまな世代が交流する場になるのではないか。区長の仕事として、縦糸でつながっている仕事を、横糸で結ぶことができるのではないか。そんなことを考えています」
―今年度は、区の新たな課題に即応するための経費として、500万円が計上されています。その使い道の状況は。
「2012年に制定した『区の花・区の木』(ヒマワリ、ビオラ、長十郎梨、イチョウ)の普及をベースに考えて行ったのが、市役所通りのギンナンを拾い集め市民にお配りする事業です。
また、待機児童対策として『認可外保育所』の情報をお伝えするリーフレットも区の経費で作成しました。リーフレットは区役所や地区健康福祉ステーションでお配りしており、区のホームページからも閲覧できます。
そのほかに、区内に多く在住する外国人の方向けに、6カ国語に対応した区役所のフロアマップを現在制作中です」
―2015年の区政のテーマと重点施策を教えてください。
「整備が始まる『スポーツ・文化総合センター』や、本格的に活用される川崎富士見球技場など、川崎区の話題は豊富です。2015年は川崎区がますますクローズアップされる年になるでしょう。川崎区としてもこうした取り組みの側面支援に加え、区の事業に力を入れていきたいと考えています。
また、一昨年に発行した区制40周年記念誌のタイトルは『歴史文化と花のまち かわさきく』でした。その実現も目指したい。まずは『区の花・区の木』のPRもいっそう進めていきたいと思っています」
―最後に、区民へのメッセージをお願いします。
「区政の仕事で大切なのは、いかに地域の人とつながりを持って仕事をするか、だと考えています。心の通った関係を区民一人ひとりと築いていけるよう、2015年も多くの現場に足を運んでまいります」
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