2011年に活動を再開した区内の児童劇団「ワールドピースシアター」(WPT/主宰・黒江乃理子さん)が昨年12月23日、復活後初の単独公演「クッキーのおうさま2」を上演した。当日は会場となった活動拠点のスタジオ「JDS」(本町)に約130人が来場。歌やダンスを披露するたび、拍手や歓声が沸いた。主役を務めた中学2年生の久野果夏さんは上演後のあいさつで「練習が辛かったこともあったけど、劇団のみんながいたから頑張れた。最高の舞台ができた」と感激の涙を流した。
WPTの旗揚げは97年。「演劇を子ども達の人間的な成長の場に」をモットーに、区内在住のダンサー・黒江乃理子さんと、演出家の本木ともみさんが指導を行った。年2回ほど単独公演を開いていたが、本木さんの仕事が多忙になった07年、多くの劇団員の卒業も重なり、活動を休止せざるを得なくなった。
活動を再開したのは11年。黒江さんと面識のあった塩澤晶子さんが演出家として参加し、同年10月の区文化協会等主催の舞台に出演した。子ども達は全員入れ替わり、一からのスタートとなったが、その後も定期的にJDSのイベントなどで演劇を披露。経験を積んだ。現在は4歳から14歳までの子役16人が所属。毎週土曜、JDSで2時間稽古を積んでいる。
「演劇は、普段の生活の中で自分の個性がどうすれば生きるのか、学ぶことができる場」。塩澤さんは熱を込めて語る。ほかの役者を生かしつつ、自らの個性もアピールしなければならない状況が、子どもの成長を促すという。
泣いてばかりだった子がセリフをしっかりと言えるようになったこと、上級生が下級生の面倒を見るようになったこと――。演劇未経験だった子ども達が、この4年間で徐々に自信をつけ、成長していった様子を、塩澤さんは感慨深げに振り返る。
WPTは3月にもJDSを会場に、単独のミュージカル公演を予定。主宰の黒江さんは「これからも演劇の技術を伝えるとともに、人を育てる劇団として活動を続けたい」と話している。
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