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川崎区・幸区版 公開:2016年2月26日 エリアトップへ

ご近所交流「これがミソ」 旭町一丁目で寒仕込み

文化

公開:2016年2月26日

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大豆を丁寧につぶす作業をする参加者
大豆を丁寧につぶす作業をする参加者

 「皆でお味噌を造りましょう」。旭町一丁目町内会の婦人部、むらさき子供会の母親らが集まり、毎年恒例の味噌造りを同町内会館で行った。40代から80代までの女性が集い、教え、教えられながら雰囲気は和気あいあい。ご近所同士の交流、親睦を深めるにはこれが”ミソ”のようだ。

 調理場が備え付けられている旭町一丁目町内会館に、続々と地域の女性達が訪れる。大豆の煮立った香ばしい香りは「そろそろ火からあげていいよ、という合図」と話すのは、「味噌造りの先生」と呼ばれる佐藤ヨスノさん。参加者らに、郷里の宮城県で子どものころから味噌を造っていたという話や、大豆をつぶすときには臼を使っていたといった知識を披露すると、参加者は興味津々の様子で話に聞き入る。40代の参加者は「わからないことは何でも聞いてしまう」と、積極的に交流を図る。

 味噌造りが始まったのは約8年前、佐藤さんが数人の有志で味噌造りをしていたのを知った同町会婦人部部長の野出絹江さんが「婦人部の活動として皆でやりたい」と、提案したことがきっかけ。「野出さんが引っ張っていってくれるから、味噌造りが続いているの」と佐藤さん。約8年の歳月で、世代を超えた交流が味噌同様に”発酵”を繰り返し、明るく協力的な雰囲気を”醸し”出す。今や町内の一大イベントにまで発展したという。

 19日から21日までの3日間で32人が参加し、造った味噌は合計220kg。大豆55kg、麹55kg、塩22kgと水を使用した。3日前から水につけておいた大豆を、たっぷりの水で4時間煮るが、途中灰汁を取りながら、鍋の中で大豆が踊らないよう弱めの火でゆっくり煮ることがポイントだ。その後あら熱を取って大豆と麹、塩をビニールに入れて混ぜ、上から踏んでつぶし、まだ残っているつぶはさらに手で丁寧につぶしてなめらかに整える。それを焼酎で消毒したタッパーや壺に空気が入らないよう少量ずつ打ち付けるように重ね、密閉して1年間寝かせて出来上がり。

 「毎年2月に仕込むので、ちょうど食べ終わった頃に作り出すサイクル」と野出さん。1年経つと色も濃い茶色に変化する。味は、市販のものよりもまろやかで、きゅうりに付けて食べると味噌の美味しさが際立つという。大豆のつぶが少し残っているのも「手作り感が表れていて良い」と評判だ。

 味噌が出来上がるのも楽しみだが、大豆が煮えるまでの待ち時間に皆で昼食を作って食べたり、お茶を飲んだりしながら過ごすのがかけがえのないひと時だという。「家にこもっているより、外に出てきていろいろな話をしながら、皆と共同で一つのものを作り上げるのはとても貴重なこと」と野出さん。

 佐藤さんは「教えたことを若い世代の人が吸収して、味噌作りを今後も継承していってくれたらうれしい」と話している。

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