駅近に外国人市民の行政手続きや生活支援、多言語サポート、国際交流を図る多文化共生ラウンジの開設を求める声が外国人市民や外国人支援の関係機関から上がっている。こうした中、桜本の社会福祉法人青丘社は6月11日(土)、駅近の多文化共生ラウンジについて理解を深める市民フォーラムを中原区で開催。実現化に向けて市民に広く提言する。
「どこに行けば行政や生活に役立つ情報がもらえるのか」「母語で気軽に相談できる場所が欲しい」――。市長への提言機関「川崎市外国人市民代表者会議」によると、長年、外国人市民からそんな声が聞かれる。
市内で利用できる外国人市民の相談窓口は川崎区役所、麻生区役所、市国際交流センターだが、時間や曜日によって対応できる言語が限られているという。また、外国人支援や多文化共生の取り組みについては川崎市ふれあい館や川崎市国際交流センターなどがその役割を担うが、いずれも交通アクセスの悪さがネックだ。市内の外国人在住者の4割を占める川崎区では、駅前周辺に外国人市民が多く住んでおり、桜本のふれあい館を利用する人も少なくない。「ただ、住宅街の一角にあるだけになかなかたどり着けないとの声がよく聞かれる」と、市ふれあい館の原千代子館長はいう。
「第10期川崎市外国人市民代表者会議」は4月、福田紀彦市長に「多文化共生ラウンジ(仮)」の設置を目指す提言書を答申。この中では駅前に多文化共生ラウンジが開設されることで仕事帰りや学校帰りの限られた時間の中でも気軽に立ち寄ることができることや外国人市民の居場所づくり、日本人との交流につながるメリットがある点を指摘。さらに行政窓口や相談機関へとつなぐ中間的な支援の役割を果たすという。
隣接する横浜市では「国際交流ラウンジ」の名称で市内11カ所に設置され、駅から徒歩5分以内の場所にあるという。また、大田区でも蒲田駅近くに同様のラウンジ施設の設置計画がある。2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開かれ、「多くの外国人が川崎を訪れたい、住んでみたい、働いてみたいと思われるようなグローバル都市になるには、拠点の開設が必要」といった声も外国人市民支援機関関係者からは聞かれる。
市民フォーラムは、提言書を推し進めるため青丘社が主催。公益財団法人川崎市国際交流協会が共催し、川崎市が後援で6月11日(土)、川崎市国際交流センターレセプションルームで開かれる。「外国人支援と多文化共生のための地域の拠点の必要性を考える」と題し、社会福祉法人青丘社理事長の裵重度(ペェ チュンド)さんが基調講演。パネルディスカッションでは第10、11期川崎市外国人市民代表者会議代表者のタカハシ ライゼール ラモスさん▽川崎市国際交流センター・ポルトガル語相談員の中森ジュリアみどりさん▽川崎市ふれあい館館長原千代子さん▽麻生ヘルプラインの菊地原宏江さんが登壇し、外国人市民の居住実態や「子どもが学校へ行っても日本語が分からない」といった困りごと、駅前ラウンジ設立の意義や必要性についてデータを示しながら意見を交わす。
午後2時から4時。費用は無料。問い合わせは、社会福祉法人青丘社〈川崎市ふれあい館〉(【電話】044・276・4800)。
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