川崎地方自治研究センターと川崎市職員労働組合政策部は2014年度の川崎市の決算から財政状況を分析した白書『川崎市の財政を考える』をこのほど、発刊した。
白書は川崎市が総務省に提出する決算カード(地方財政状況調査票要約版)をもとに作成している。予算と決算には2年のタイムラグがあり、今回は福田紀彦市長が初めて予算を手掛けた2014年度を対象に振り返る。
A4サイズで148ページ、計4章で構成されている。第1章は「消費増税の再々先延ばしで遠のく国家財政の再構築」と題し、アベノミクス(安倍内閣の経済政策)への疑問を投げかける論文を掲載している。
第2章は「決算カードから見る川崎市の財政」をテーマに、歳入・歳出の推移を他の政令市と比較して考察する。「財政の健全性を診る」の項では、積立金残高や地方債の返済を計画的に行うための減債基金残高財政力指数の推移などを紹介する。また、2014年度以降の川崎市の予算編成と決算の推移をみる項などもある。
第3章は「神奈川システムの活用」と題し、神奈川地方自治研究センターが導入する財政分析システムをヒントに取り組んだ県内市町村の財政分析を49ページにわたって掲載。
最終章は「いま、なぜ中学校給食なのか〜川崎市の中学校給食を考える〜」をテーマに、導入に至る背景、開始にあたり財政と食の安全の課題などについて言及している。
江井茂川崎地方自治研究センター理事長は「財政が厳しいという市当局の説明を漠然として受け止めるのではなく、自らの分析で財政状況を把握するための判断材料にしてもらえたら」とし、多くの自治体をはじめ、市民団体関係者に手に
取ってもらいたいと語る。
財政白書は希望者には無料で配布している。問い合わせは、川崎地方自治研究センター(【電話】044・244・7610 川崎区東田町6の2 ミヤダイビル2階)。
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