年頭にあたり、本紙は恒例の区長インタビューを行った。土方愼也区長は「安全」「安心」「元気」をキーワードに、地域包括ケアシステムをはじめとした様々なまちづくりに取り組む決意を語った。
(聞き手/川崎区編集室編集長 金屋大輔)
――昨年の川崎区政を振り返って印象に残った事は。
「昨年4月に川崎区長に着任しましたが、週末のイベントの多さに驚きました。旧東海道や川崎大師といった由緒ある場所が多いこともあり、歴史や文化を感じる催しが目立ちます。同時にこうしたイベントが活性化と絆づくりにつながっていることを実感しました。区の取り組みでいえば、『地域包括ケアシステム』に対する取り組みです」
――昨年秋、川崎市観光会長の斎藤文夫さんが館長を務める「川崎・砂子の里資料館」が休館しました。川崎区は地域資源を「宝物」と位置付けていますが、このインパクトは宝物が一つ無くなったという話だけではなく、浮世絵の散逸も心配されています。区選出市議団は散逸防止にむけた要望を市長に行いました。川崎区としてはこの出来事をどのように受け止めているのでしょうか。
「これまで市内外から多くの人が斎藤コレクションと呼ばれる浮世絵を見ようと、資料館を訪れていました。区、旧東海道の見どころの一つとして川崎の観光をこれまで牽引してきた意義は、大変大きなものがあります。休館は寂しい限りですが、区としては資料館近くの東海道かわさき宿交流館で浮世絵を展示する企画展を定期的に開催してきました。斎藤館長のご意向が最も大切ですが、引き続き交流館での企画展が開催できればありがたいと思っております」
――富士見地区に体育館と教育文化会館の大ホール機能を兼ね備えた「川崎市スポーツ・文化総合センター」が秋にオープンします。今後この施設を区としてはどのように活用していこうと考えていますか。
「川崎市体育館があった時は、ここでバレーボール大会や綱引き大会が開かれていました。建て替えにより、バレーボールはJFE水江体育館、綱引き大会は市民ひろばで行われご不便をかけていました。新しい体育館ができることで、区としてもここを地域交流の絆の場として活用していきたいと考えています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えてもスポーツ・文化総合センターは市の一大スポーツ拠点となります。また、文化活動の拠点ともなりますので、文化の一層の活性化にも期待します」
――川崎区のまちづくりの中での重要なキーワードが「コミュニティーづくり」だと思います。背景には高齢化率の高さ、少子化があります。そうした中、昨年は高齢者をはじめ、誰もがいきいきと過ごせる「地域包括ケアシステム」が本格始動しました。そこで川崎区における高齢者問題はどんな点にあるのか、そして今年はどのように地域包括ケアを進めていくのか教えていただけませんでしょうか。
「川崎区の高齢者問題は単身高齢者や高齢者のみの世帯が非常に多いことが挙げられます。川崎区ではこうした高齢者を見守る地域づくりが必要だと考え、実際に地域の中で見守り活動を行う団体から実態を伺いました。その結果、自助・互助による様々な活動が行われていることが分かり、中には、災害が発生した際、チームを作ってこうした高齢者をどのように誘導するのかを考えている町会もありました。今年はこうした取り組みとニーズを結ぶマッチングに力を注いでまいります」
――最後に今年1年の抱負をお聞かせください。
「区民の皆さんが安全、安心、元気に暮らせるまちであってほしいと願っています。そのためにも『地域包括ケアシステム』『防災対策』『地域資源を生かしたまちの活性化』にしっかりと取り組んでまいります。今年一年、ご理解とご協力を引き続きよろしくお願いします」
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