川崎区・幸区版 掲載号:2018年10月5日号
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東海道かわさき宿交流館に木彫り浮世絵を展示している 須山 一則さん 川崎区観音在住 64歳

一刀入魂 溢れる挑戦心

 ○…自分なりの表現として、普通の絵でも浮世絵でもない、1枚の絵を彫る「木彫り絵」を3年前から始めた。縦20センチ、横30センチほどのシナの木版にカーボン紙でお気に入りの作家の作品を写し、彫刻刀で絵を切り出し、色を付けていく。立体感を出すために深く彫りこんだり忠実に再現するため、細い線も浮き彫りにしたりする。1枚の作品を完成させるのに約10日間、4、50時間。「集中すると1日8時間も作業に没頭することもあるが、精神安定剤のようなもので彫っているときは楽しくて仕方ない」

 ○…これまで手がけた作品は安藤広重、葛飾北斎、東洲斎写楽といった浮世絵から竹久夢二、さらにはクリスチャン・ラッセンと幅広い。中でも浮世絵は定年を機に始めた旧街道歩きの証として彫り始めた。気に入った作品は何度も手がけ、北斎の「神奈川沖浪裏」はこれまでに4枚彫った。

 ○…今年4月、中山道の関ヶ原で観光案内所の責任者に関ヶ原の絵も彫って欲しいと頼まれ、飾られた。「作品を多くの人に見てもらう喜びを知った」といい、地元川崎でも飾ってもらいたいと、東海道かわさき宿交流館に作品をもちこみ、展示に至った。「ご先祖様は川崎宿を作るために、御殿場の須山村(現裾野市)から連れてこられたと聞いている。東海道とは縁があるんだね」と笑う。

 ○…間もなく旧五街道を歩き終える。次は仏像彫りに挑戦する。巣鴨のとげぬき地蔵でギャラリーに飾ってある仏像を見て、自分も彫ってみようと思った。これまでは絵も彫刻も自己流だったが、仏像彫刻は先生について一から取り組む。1体彫るのに2・3年はかかるので気合が必要だ。「常にチャレンジャーでいたい。それが若さの秘訣でもある」と次の目標に目を輝かせる。

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