地域演劇集団「京浜協同劇団」が設立60周年を迎え、今月中旬から第1弾の記念公演を活動拠点の「スペース京浜」(幸区古市場)で行う。設立以来、地域の社会的なテーマを題材に上演。今回は深沢七郎原作の『楢山節考』を脚色した『おりん』で老いの問題を問う。
現在、同劇団では会社員、自営業、定年退職者ら20人がメンバーとして活動する。
1959年12月、劇団建設座、川鉄演劇研究会、劇団もぐらの3団体が合流して誕生。「この日、この地、この人々と」をスローガンに、地元の出来事で「平和」「戦争」「働き方」「保育」といった社会性のあるテーマを題材に150回近く上演し、一石を投じてきた。
今回は、楢山節考を脚色した『おりん 姥捨て異聞』。70歳になる年老いた母親を山深い貧しい村のおきてに従って真冬の楢山に捨てに行くというストーリーだ。「今、年寄りが粗末にされていると感じる」と制作部の城谷護さん。「若者や未来を大事にすることにつながる」とも力を込め、高齢者の問題をテーマにすることを決めた。劇団員の和田庸子さんが原作を脚色・演出し、悲しさの中に親子の情、命の輝き、生きることの尊さを訴える。
主役のおりんは、同劇団の設立当初からのメンバーで現在84歳の若菜とき子さんが演じる。稽古は6月からスタート。本番が間近に迫り、劇団員の練習にも熱がこもる。同劇団によると、若菜さんの迫真溢れる演技は見どころの一つ。また、音楽家の安達元彦さんのオリジナル曲は聴きどころで随所に流れる篠笛の演奏は感動を引き起こすという。
公演は11月16日(金)から18日(日)、22日(木)から24日(土)。チケットは前売り大人2900円、70歳以上2500円、30歳以下2000円、学生1500円。当日は各500円増し。申し込みは専用電話(【携帯電話】070・7476・7894)。開演時間など詳細は、同劇団HP(http://www.keihinkyoudougekidan.com/)。
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