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2020へ「川崎力」充実を 福田市長、今年の展望語る

社会

掲載号:2019年1月1日号

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昨年を振り返り、新年の抱負を語る福田市長
昨年を振り返り、新年の抱負を語る福田市長

 2019年の幕開けにあたり、本紙では福田紀彦川崎市長に恒例の新春インタビューを行った。子育て支援やまちづくりについて方向性を示す一方で、消費増税やふるさと納税など国の施策に対して提言を述べた。(聞き手/本紙川崎支社長・有賀友彦)

 ――今年は横浜や東京でラグビーワールドカップ、来年は東京オリンピック・パラリンピックが控えています。宿泊や観光資源などインバウンド(訪日外国人)に対する具体策を教えてください。

 「羽田空港が国際化により10年前と比べて役割が非常に大きくなる中、川崎駅は京急で12分と好立地なのもあり、外国人観光客は増加傾向です。市内のホテルもここ数年増加しており、川崎駅西口では来年の開業に向けて約300室の大型ホテルの建設が進められています。市北部でも外国人観光客は増え、藤子・F・不二雄ミュージアムでは当初は約5%だった外国人比率が、今では約20%にもなっています。アジア、欧米などの方々が興味を持つ市の観光資源をSNSで発信するなど、効果的な広報活動を心掛けていきます」

 ――新年度の予算編成の見通しと、10月の消費増税、幼児教育・保育の無償化が市の財政運営にどう影響を与えるか考えをお聞かせください。

 「引き続き、減債基金から借り入れせざるを得ない極めて厳しい財政状況の中で、緊張感を持って予算編成を進めていきます。消費税の支出負担増としての影響額は20億円を超える一方で、収入が増えるのは翌年度からとなるため、今年は特にその対応が重要になります。幼保無償化では、国の政策の決定過程において、財源論及び方法論についての地方との協議がなかったことは残念に思っていますが、この間の意見交換の中で、地方の主張を踏まえ、財源論に一定の対策が示されております。しかし、川崎市は地方交付税の不交付団体であることの影響も懸念され、一定の負担が見込まれています。また、10月の実施にもかかわらず未だ不透明な点が多く、市民の皆さんに対応する現場の自治体としては困惑しているところです」

40億円流出「影響は甚大」

 ――地方交付税の不交付団体という点では、ふるさと納税の実質的な税金の流出額が昨年度40億円超と全国ワーストです。返礼品競争に静観する構えでしたが、現状はいかがでしょうか。

 「不交付団体は財政的に自立した豊かな自治体と思われがちですが、実態は非常に厳しく、地方財政制度が複雑でなかなか理解されません。40億円ともなると市民サービスへの影響は甚大です。肉や魚といった返礼品合戦は、本来のふるさと納税の制度の趣旨から逸脱していますので、限度額や寄付先の制限など、高所得者に有利な現状の制度の見直しを改めて国に求めています。返礼品合戦に参戦するつもりはありませんが、今年は魅力的なメニューを出していきたいと思います。同時に、納めていただくはずの税金が他都市に流出している実態を市民の皆さんにご理解いただけるよう、市としても努力していきます」

 ――小児医療費助成制度では、今年から中学生までの入院に対し所得制限を廃止しました。

 「私の目玉政策の一つであり、通院への助成はここ5年間で、小学6年生まで対象を拡大しました。医療費助成は一区切りかなと思っています。子育て支援は医療費以外にも多角的な支援が必要なので、バランスをとって進めていきます」

 ――待機児童対策では受け入れ施設の増設が挙げられますが、保育の質や保育士不足に対する声もあります。

 「需要に応えるため急ピッチで保育所等の整備を進めており、第2期実施計画期間中の4年間で7500人ほど受け入れ枠を拡大する計画です。また、認可保育所等のほか、川崎認定保育園、幼稚園の一時預かりなど多様な手法で市民の要望に応えつつ、保育士確保のための処遇改善、川崎独自の保育園運営費の上乗せ補助も行います。また、経験の浅い保育士に対しベテランの公立の保育士が出前研修等を行うなど質の確保に努めます。新卒の保育士の皆さんを呼び込むためにも、質の高い保育をアピールしていきたいと思います」

 ――地域課題解決のための市民による区民会議は12年間の取り組みに終止符を打ち、新たな仕組みづくりが進んでいます。その違いや方向性は。

 「区民会議はその時代にあった施策として多くの提言がまちづくりに生かされ、成果は感じています。しかし、市民の皆さんのまちづくりへの関わり方が変わり、さまざまな団体による市民活動が増えてきています。高齢化や後継者不足などを抱える町内会や自治会など従来の組織と連動し、「市民創発」によるまちづくりにうまくつなげる役割が求められていると思います。市民の思いや活動をどうまちづくりに溶け込ませるか。区における参加の仕組みも時代にあわせた制度設計を常に柔軟に考えていきます」

 ――豪雨や風水害など日常的に起こりうる災害や防災対策などの市の情報が、市民に十分に伝わっていないとの指摘もあります。啓発手段について考えはいかがですか。

 「大切なのはどう効果的に情報を発信するか。例えば昨年、台風シーズン前に市の浸水被害を想定したハザードマップを掲載した防災広報紙を全戸配布したところ、その時期に全国で浸水被害が多発しました。市ウェブサイトのハザードマップのアクセス数はそれまで1日あたり数百件でしたが、台風12号が接近した7月28日には2万件を超え、市民の関心の高さを裏付けました。また、今も15人の市の職員が東日本、熊本、広島など各地で復興支援にあたっています。これまでも災害派遣した職員が得た教訓を持ち帰り、各区の避難所運営会議などで区民の皆さんに話す生の声は説得力があり、平時からの備えにもつながります。一昨年から年2回、各区で行っている防災訓練も質が向上してきています。『見せる訓練』から『行動する訓練』へ。市も地道に取り組んでいきます」

 ――最後に、ヘイトデモなどを受けて人種を含めた人権を守る条例の制定を検討しています。罰則規定を望む声もありますが、どう考えますか。

 「条例は2020東京大会前までに施行する予定です。罰則規定については慎重に検討する必要があると考えています。今年は議会の皆さんとも前向きに議論していきます」

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