オレオレ詐欺や還付金詐欺といった特殊詐欺による被害は、昨年に比べて減少傾向にあるものの、いっこうになくなる気配はない。そうした中、特殊詐欺撲滅に向け、迷惑電話防止機器が注目を集めている。
川崎警察署管内の今年1月1日から5月31日までの特殊詐欺の認知件数は17件(前年同時期比マイナス8件)、被害額は約3800万円(昨年同時期比約マイナス約1250万円)。川崎臨港警察署管内は認知件数2件(マイナス4件)、被害額約530万円(約マイナス270万円)。幸警察署管内は認知件数13件(マイナス32件)、被害額約1670万円(約マイナス4500万円)となっている。
これらの数字は警察に認知されている件数で、家族や警察などに相談できず、水面下で被害にあっている数は、これ以上になると考えられる。
手口としては従来のオレオレ詐欺、架空請求詐欺、還付金詐欺に加え、最近は何らかの理由をつけて、現金が家にあるかを事前に電話で確認したのち、直接家に押し入る、いわゆるアポ電強盗事件も発生している。また元号の変更に乗じてキャッシュカードや通帳をだまし取ろうとする手口にも注意が必要だ。
各署は駅前でのチラシや啓発品配布、地域パトロール時にポストへの啓発ビラの投函、イベントでの講話、また金融機関への声掛け協力の依頼などの対策をとる。ポストに入った啓発ビラを見たことで騙されずにすんだという事例など、一定の効果はあるが、決定打とはなっていない。
電話に出ず未然に防ぐ
詐欺被害の多くは家の固定電話にかかってくる電話が入り口となっているため、その電話に出なければ被害を未然に防ぐことができる。そこで神奈川県警が普及に力を入れているのが、迷惑電話防止機器=写真上=だ。
電話がかかってくると受け手側の呼び出し音が鳴る前にかけた側に「この電話は、振り込め詐欺等の犯罪被害防止のため、会話内容が自動録音されます」といった警告メッセージが自動で流れる。呼び出し音はこの警告メッセージが流れた後に鳴るので、会話を録音されることを嫌った犯人が電話を切れば、詐欺電話を取らずに済むというわけだ。もし電話が切られずに、出たとしても会話が自動録音されるので、証拠が残ることになる。
電話機と電話回線の間にケーブルでつなげるだけの簡単な作業で設置も手軽にできる。予算は5000円から1万5000円のものが主流だ。
3署長からメッセージ
特殊詐欺のなくならない現状に対し、川崎警察署、川崎臨港警察署、幸警察署の各署長から市民に対し、次のようなメッセージが寄せられた。
▽増田勝川崎署長
「常日頃から特殊詐欺という犯罪があることを意識して欲しい。少しでも怪しいと感じたら一人で判断せず、家族や警察に相談するようにしてください」
▽大竹孝行臨港警察署長
「電話で金とキャッシュカードの話が出たらサギです。中高生が高額なアルバイト代につられて特殊詐欺に加担しないように、ご家族で話し合う機会を持ってください」
▽齋藤秀明幸警察署長
「当署では、車両広報で声優の浪川大輔氏の注意喚起アナウンスを日々、流しています。電話でお金の話が出たら、それは『サギ』です。気をつけてください」
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