市立東門前小学校や市立宮前小学校で校長を務めた澤口安雄さん(72)が「東京パラリンピック」への出場を夢見て、障害者スポーツに挑戦している。澤口さんを応援しようと、友人らは競技用車いすの購入を考え、カンパを募った。
澤口さんは退職後、脊髄に細菌が入る脊髄膿瘍を発症し、意識不明の重体で病院に運び込まれた。一命を取り留めたが、頸椎を損傷し、首から下が全身麻痺不随となった。
車いす生活を送るようになった中、趣味である写真撮影を再開。シャッターを懸命に押し続け、個展を開催。長年取り組んできた地域史の勉強にも精力を注いだ。
かつては体育教師だった澤口さん。「ただ車いすをこいでいるだけでは面白くない。何秒で走れるか」。そんな挑戦を始めた。やがて障害者スポーツ大会を意識。東京パラリンピックにも関われないかと考えるようになり、陸上、ボウリング、ボッチャでの出場を夢見るようになった。
先月26日に等々力陸上競技場で行われた「第19回川崎市障害者スポーツ大会」で10肢体2 2部男子の50メートル走に出場。20秒46をマークし優勝を飾った。横浜市で行われたボウリング記録会では好成績を残した。
東京パラリンピックへの出場は手探り段階。年齢から考えても厳しいという声もある。それでも澤口さんの並々ならぬ努力を応援しようと、友人の中込達夫さんらが中心となってアスリート用の車いす購入に向けてカンパを募り、目途を立てた。
澤口さんは友人たちの心意気に感謝し、これからも頑張る姿を見せたいという。
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