倒壊の恐れがあるなど危険なブロック塀の撤去を促進するために、川崎市が設けた助成金制度の利用が低調だ。来年3月まで600件の利用を見込むが、8月27日時点で2割弱の111件。市は周知不足を認めながらも、市民の「危険」を取り除くために利用を進めたい考えだ。
川崎市は昨年11月、「ブロック塀等撤去促進助成金」制度を設けた。大阪北部地震でブロック塀が倒壊し女児が亡くなった事故を受けた安全対策。民家のブロック塀などは私有財産のため、撤去費用は個人負担だが、市がその一部を負担する。
道路や公園に面し、安全性の確認ができない高さ1・2mを超えるブロック塀などが対象で、撤去費用の半額を上限30万円まで市が助成する。
昨年度(11月から3月)は利用申請数を200件、1件10万円と想定し、2000万の予算計上をしたが、利用は72件、770万円にとどまった。今年度は400件を見込み、4000万円を予算計上するが、8月27日時点での利用は39件、420万円だ。
利用件数が伸びない理由として市は周知不足が一因と認めている。今年度の助成金について相談は10件に満たなかったが、8月初旬に市内全町内会に助成金制度の案内を回覧したところ19件寄せられたという。
一方で、川崎区のある町会長は回覧だけでは効果は限定的だと指摘する。「ブロック塀のある家は高齢者宅が多い。皆さん危険だという認識はもっている。個別訪問などで制度の説明を受ければ利用する人も出てくるのでは」と話す。
同制度は2020年度までの時限措置だが、今の利用状況では来年度の予算編成への影響は避けられない。
市担当者は「地震時の歩行者の安全のためにもぜひ状態確認をしてほしい。危険なブロック塀は助成金を使って撤去をしてもらいたい」と呼びかける。
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