川崎市が12月議会での成立を目指すヘイトスピーチに罰則規定を設けた条例案について、弁護士有志が先月28日、市や市議会に要請書を提出した。提出者の一人である安藤肇元横浜弁護士会(現神奈川県弁護士会)川崎支部長は、条例が制定されれば「川崎市が全国に先駆けて日本の共生社会をリードする」と意義を語る。
要請書によると、市が示した条例案について「人権が尊重されるまちづくりに向けた市等の責務を明らかにしている」とし、ヘイトスピーチを実際に止めるための禁止規定と罰則規定を設けた点を評価。「強く支持」と打ち出す。その上で、ヘイトスピーチ規制の保護対象者の定義の条件見直しなど、12項目の修正と追加を要請する。
安藤弁護士は市の条例案について、「罰則を科すにあたって3カウントルール(勧告→命令→公表・罰則)と審議会による中立審査が肝になっている」と指摘。「不当な表現の自由規制にならないような配慮がされており、妙案だ」と賛意を示す。一方でインターネットによるヘイトスピーチ対策や規制の場所の範囲について「若干の修正が必要ではないか」との認識を示した。
川崎市内には在日コリアンが経営する会社も数多い。「差別される側は少しの差別的表現や取り扱いに本当に心が傷つく」。安藤弁護士は在日経営者が発したこの言葉を弁護士活動の中で大切にしているという。締めくくりに「まじめに普通に暮らす人を不必要に排斥するのは、世界の潮流からも離れている。みんなが幸せになれない」と、条例制定の必要性を改めて強調した。
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