川崎建設業協会に山根崇(株)山根工務店代表取締役社長(46)がこのほど就任した。協会の前正副会長は60代で、若返りを図った人事だった。初代会長は親戚筋、3代目も祖父と縁深い。一時期は約260社が加盟していたが現在は102社。「経済面だけが理由ではない。団体は長くなると弱体化してしまうので、加盟する意義を見出せないのでは」と推測する。昨年甚大な被害をもたらした台風19号の際には、会で災害ゴミの撤去など復旧支援に尽力。「組織としての存在に改めて気付かされた。組織の在りようを見直し、より強固なものにしていきたい」と気負いはない。
山根工務店は創業118年、まちづくりに携わり、川崎と共に成長してきた会社だ。自身は祖父の療養地である藤沢市で生まれた。大学卒業後、ハウスメーカーの営業を経て家業に戻ったが翌年は赤字決算。「肌で感じるほど厳しかったが危機意識を常に持てるようになったのは大きい」と振り返る。10年前に父親が退き社長に就任。仕事のモットーは「変化に対応できること」。多角化経営を目指し、社の持つ土地を活用する事で安定的な賃貸収入を生み出した。ホテル業にも進出し、コロナ禍で多少遅れたものの先日オープンにこぎつけた。「今は厳しい時世だけれど、これから上がるのみ。宿泊者が地元川崎と交流の持てるようなホテルにしたい」と意気込む。
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