資源物の持ち去りを禁止する条例の制定をめざす川崎市は12月7日、アルミ缶を集めるホームレスから直接意見を聞く集会を川崎区内で開いた。
民間支援団体などを通じて集まったホームレスは10人弱。薬物やギャンブル依存からの脱却を支援する団体・川崎マックの青木知明さんは「条例を制定する前に話し合う市の姿勢は評価したい」としながらも、「アルミ缶集めで100人ほどが食いつないでおり、まさに死活問題。別の対策を検討すべき」と訴えた。
70代のホームレスの男性は「罪悪感はあるから、住民に迷惑をかけないよう挨拶や掃除もしている。中には好意で缶を提供してくれる人もいて生きがい。アルミ缶頼みの生活で、死ぬ勇気もない」と思いを吐露した。他の参加者からは、市の委託業者以外で粗大ごみを回収するトラックや、ホームレスを装い缶集めする人がいるなど、市内の資源物持ち去りをめぐる現状も伝えられた。
市環境局の担当者は「条例制定に向け、市民の安心安全を前提に、路上生活者の声を参考に自立支援策も含めて検討していく」とし、今後も集会を開く予定という。
市が今年実施した調査では、市内のホームレスは214人で、5年前と比べ半減している。
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