幸区在住の岡田恵利子さん(39)が、ジェンダーについて広い視点で考える市民団体「ジェンクロス・カワサキ」を3月に立ち上げた。3月30日、4月27日には音声SNS「クラブハウス」を活用したオンラインイベントを開催した。
初回のイベントには22人が参加。地元女性議員をゲストに、川崎市のジェンダー平等に向けた取り組みなどについて聞いた。参加者から性教育に関する発言もあり、対話しながらイベントが進められた。
岡田さんは、世界経済フォーラムが3月末に発表した世界各国の男女平等の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」で日本が156カ国中120位だったことに触れ、「見ないふり、無関心が一番駄目。まずは自分事として捉えて知ることが第一歩。ジェンダーについて考えたこともなかったという人にも気軽に参加してほしい」と話す。
世代超え理解を
団体名には「ジェンダー」「ジェネレーション」がクロスするという意味合いを込めた。子どもから高齢者まで、全ての世代がジェンダーについて理解を深める場作りを目指す。子どもに対する性教育やLGBTQをはじめとする性的少数者など、多角的な視点で情報発信を進める。
岡田さんは「私たちの世代もまた、子どものころに『女の子らしく』『男の子らしく』と育てられ、無意識のうちに鎖にしばられて言いたいことにふたをしてしまう人も多い。その人がその人らしく、自分の生き方を選択できる社会になれば」と語る。
「クラブハウス」でのオンラインイベントはゲストをリレー方式でつなぎ、月1、2回の定期開催を目指す。コロナが落ち着けばオフラインで座談会やワークショップも実施したいという。また、子どもと親、祖父母が一緒にジェンダーについて考え、知ることができるリーフレットや動画などの制作も検討中だ。
きっかけは留学
団体発足、ジェンダーについて考えるきっかけとなったのは、交換留学だった。現在、フリーランスとして働く傍ら、大学院の博士後期課程に通う岡田さん。留学先のデンマークには、ジェンダーレストイレがあったり、夫婦別姓が認められていたりと、衝撃を受けたという。「海外で感じたビックリを、日本に還元していきたい」
経験を生かしたいと取り組み始めたのが選択的夫婦別姓制度の法制化を求める活動だった。そこで出会った仲間とともに「ジェンクロス」を立ち上げた。「根底はジェンダーの部分にある。せっかく縁あってつながった仲間と一緒に、多様性を認め合う社会づくりの一端を担えれば」と話す。
現在、メンバーは幸区(岡田さん)と、川崎区、中原区在住の3人。今後は各区の人に参加してもらい、市全体への動きにつなげたい考えだ。「川崎市は『人種のるつぼ』ともいわれるほど多様な人が暮らす街。地元から始めることには大きな意義がある」と話し、声をあげること、関心を持つことの大切さを伝えていく。イベントや活動情報は随時フェイスブック(https://m.facebook.com/genxross/)で告知する。
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