4月17日付けで川崎消防団団長に就任した 小松原 徹さん 川崎区旭町在住 73歳
覚悟持ち、人のために
○…前団長から4月17日に団旗を引き継いだ。入団から約40年、出動した火災で亡くなった人や、焼け出されて途方に暮れる人の姿も見てきた。「消防団は遊びじゃない。人のために生きる覚悟が必要」と力を込める。交代式の日、団員には「自覚をもって自主的に考え、役割を果たす」ことを強く伝えた。
○…川崎区旭町で生まれ育った。今でもご近所さんからは「徹ちゃん」と呼ばれると照れ笑いを浮かべる。幼少期はとにかくやんちゃ。タケノコをくわえたまま塀から飛び降り、生死をさまよったこともあるとか。16歳で免許を取り、バイク一色の青春時代を送った。愛車のホンダCL72にまたがり街を走りまわった。「周りに心配かけて、やりたい放題だった」というが、町内会役員からの誘いで入った消防団の活動を通して意識が変わった。家族や友人、知り合いの命を守るという思いを抱き、徐々に「地域のため」と視点が広がった。「迷惑をかけた分、恩返しだね」
○…妻、息子夫婦、孫と暮らす。長男は父の背中を追って18歳で入団。かつて自身も務めた第二分団長として活躍する姿を見て「やっぱりうれしい」と父の顔だ。娘は国際結婚し、ドイツで暮らす。「最初はさびしかったけど、今はインターネット通信があるからいつでも顔を見て話せる」と、ドイツにいる孫から贈られた誕生日祝いの絵を手に頬をゆるめた。
○…大学時代、学費を稼ぐためふすまの配達のアルバイトを経験。「背広は性に合わない」とそのまま親方の元で働いた。25歳で独立し、現在も旭町で橘経師店を営む。日々の息抜きは妻との伊豆旅行だ。「妻がいなかったら今の自分はない」。仕事も、消防団の活動も常に支えてくれる妻への感謝は絶えない。
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4月26日
4月19日