北朝鮮による拉致被害者・横田めぐみさんの父・滋さんの一周忌に合わせ、川崎市は6月5日、JR川崎駅北口自由通路で写真展を開催。関心を持ち続けてもらうため、今回新たに10枚の写真パネルを追加した。
写真展では滋さんが撮影した家族写真を中心に、北朝鮮当局から調査団が持ち帰った写真を含む50枚を展示。多くの人が足を止め、家族で寄り添う写真や旅行中に満面の笑みを浮かべるめぐみさんの姿を眺めた。
稲城市から訪れた小林剛一さん(78)は「拉致の残酷さを実感した。お父様が亡くなり、お母様も高齢で胸が詰まる」と話し「何もできないのがもどかしい。せめて風化させないように」と写真に目をやった。
市民意識調査9割「重大な人権課題」
市が5月31日に公表した「人権に関する市民意識調査」の結果によると、拉致問題を「重大な人権課題」として捉えている人は89・8%。50、60、70代は9割以上を占めた。一方で、20代では6・3%が「そう思わない」と回答している。
市は拉致問題を風化させないため、各区で写真展や被害者家族を支援する市民のつどいを行っている。昨年はコロナ下でつどいを開催することができず、代わりに市立京町中学校でめぐみさんの弟・拓也さんによる講演会を開いた。市担当者は「拉致問題を知らない世代も増えてきている。若い人にも関心をもってほしい」と話す。今年のつどいや講演会の開催は検討中というが「ご家族とともに、滋さんの遺志を受け継いで取り組んでいきたい」と話した。
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