「市役所前バス停プロジェクト」と銘打ち、ひとり、全国の「市役所前」バス停を訪ね歩く飯島正之さん(37・川崎区中島)がこのほど、新潟県佐渡市の調査を終え、東日本エリアを完訪した。コロナ下でもあり、「ゆっくりと西日本制覇に向けて取り組みたい」と飯島さんは語る。
同プロジェクトは、飯島さんが「全国のバス停で一番多い名前が『市役所前』ではないか」との仮説を立て、それを検証するために2007年から仕事の合間を縫って全国各地を訪ねる。カウントの際、「市役所」や「〇〇市役所」という名称は対象から外す。東日本は日本列島を分断する「フォッサマグナ」を境界線に、新潟県、長野県、静岡県以東と定め367市を訪れた。このうち、市役所前バス停があったのは102だったという。飯島さんは「そのうち16のバス停は現在は名称が変更されている」とも語った。ちなみに、市役所前の次に多いと思われるバス停について「本町(ほんちょう)」だろうと飯島さんは見立てる。その数は、ネット上で全国に約140しかないという。
東日本最後の地として訪れた佐渡市は、コロナ下でなかなか訪問できなかった場所。6月下旬、仕事で新潟に出張する機会があり、佐渡島まで足を運んだ。事前にバス会社のウェブサイトで確認し「市役所前」バス停が存在しないことを知っていた飯島さん。それでも、「ネットには載っていない独自のバス路線がある可能性も否定できない」と現地まで赴いた。これまで全て自分の目で確かめてきた飯島さんの流儀でもある。直江津から小木までフェリーに乗り、そこからバスを乗り継いで2時間かけて佐渡市役所の最寄りの「佐渡病院」で降りた。市役所を探すと、徒歩にして約3分の距離にあったが、その周囲には「市役所前」は存在しなかった。「ああ、やっぱりなかった」と残念がった飯島さん。ただ、14年かけて東日本を完訪した充実感がジワジワと湧いてきた。帰路のフェリーでは、島内のスーパーマーケットで購入した海鮮丼でひとり祝杯を挙げたという。思い出深い出来事は、宮城交通のバスに乗車した時のこと。その車内のシートには日本民家園、市民ミュージアムの図柄が施されてあった。かつての川崎市バスだった。「驚きと懐かしさがこみあげてきた」と飯島さんは振り返る。
飯島さんは今回、東日本完訪を記念した冊子の発行にも意欲を燃やし、現在製作活動に取り組む。秋に開催される同人誌の即売会に出品する予定で「西日本完訪はそれから」と語った。
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