幸区役所は8月9日、川崎市の聖火フェスティバル(8月14日)に先立ち、幸区パラリンピック採火式を開催した。東京パラリンピック開催に向け、区から市へ、市から県、県から東京、さらには世界につなげるとし、2万人の区民などから短冊で集めた「幸せ」の思いとともに「さいわいの火」を灯した。
採火式は新型コロナ感染拡大予防のため、関係者だけで開催。当初、区役所庁舎前のゆめ広場での開催予定だったが、台風の影響による強風で火を点けられず、会場を庁舎内に変更して行った。
採火は屋根のある駐車場で実施。種火から区内の南河原地区、御幸地区、日吉地区のそれぞれの火を作り、その火を各地区町内会連合会会長がトーチでひとつに集火。NPO法人スタジオフラット所属のアーティスト、山内健資(たけよし)さん(31)が採火代表者として受け継ぎ「さいわいの火」とした。山内さんは「たくさんの人が写真を撮ってくれたり、テレビに映ったりして楽しかった」と大役の喜びを語った。
種火は慶大発の技術で生成
使われた種火は幸区在住の市立田島支援学校の生徒3人が、8日に新川崎の慶應義塾大学(K2タウンキャンパス)で、同大の大西公平特任教授が研究を進めるリアルハプティクスという技術を使い生成。手元の小型装置を動かすことで離れたところにある少し大きな装置が金属と激しくぶつかり、火打石と同じ仕組みで火を起こした。佐野優奈さん(16)は「手前の装置を押すと離れたところにあるものを触っている感じがして楽しかった」と初めての体験を語った。
式の冒頭では区役所1階ロビーに並べられた9枚のパネルを紹介。同パネルは、区が事前に依頼し、町内会、自治会、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、福祉関係団体などが「幸せ」に思うことや、「レガシー形成に向けた想い」を書いた短冊約2万枚を貼り付けたもの。「多様性を尊重する社会をつくる子どもを育むまち」「誰もがスポーツ・運動に親しんでいるまち」といった、川崎市がすすめる「かわさきパラムーブメント」における9つのレガシーを表現している。
関敏秀区長は「幸区のテーマは『つなぐ』。今日は幸区の皆様の幸せへの願い、未来への願いがつながる第一歩。式は限られた人数だったが、多くの皆さんの力が結集して成り立った」と感謝を示した。
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