日本デザイン振興会が主催したグッドデザイン賞で昨年、川崎区鋼管通の「渡辺治建築都市設計事務所」(渡辺治所長)が手掛けた埼玉県入間市の「ジョンソンタウン」が、金賞を獲得。年末には国連ハビタット主催の「アジア都市景観賞」も受賞した。居住者同士の会話や交流が生まれるコミュニティーづくりに成功し、多くの観光客が訪れることでも知られるジョンソンタウンのまちづくりは、川崎のまちづくり活性のヒントにもなる。渡辺所長に話を聞いた。
賞は土地を管理、運営する磯野商会との共同受賞。インクルーシブなまちづくりを進めていることが評価された。
ジョンソンタウンは、旧入間基地前の荒廃していた米軍向け住宅地を再生させた約2・5ヘクタールの賃貸住宅地。現在、175人、90世帯が住んでいる。
渡辺所長らは2002年からジョンソンタウンの再生に関わる。当初は「磯野スラム」と呼ばれ、住宅は老朽化、居住者は高齢化し、子どもは一人もいなかったという。
目指したのは、「誰もが楽しく、永く住める『安心安全タウン』」。渡辺所長らは「米軍ハウス」という文化遺産を改修、保全しながら平成ハウスと呼ばれる現代的低層新築住宅を織り交ぜた景観をつくりあげた。居住者同士の会話をする機会ができるよう、回遊性のある街路や、1階を店舗にできる住宅を建てた。
バリアフリーへの配慮や社会福祉法人との協力関係を築き、社会福祉法人がアパートを一棟借りして、そこに障がい者が住み、緑の世話の仕事を請け負っている。
今や【1】若い人が脱サラして夢を実現できるまち【2】子育てしている主婦が自分の夢を追えるまち【3】リタイヤ後の高齢者が夢を実現できるまち【4】障がい者も働きながら住み続けるまちへと進化。渡辺所長は「このまちは完成していない。さらに福祉の充実を図ることができる」と語る。
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