富士通スタジアム川崎(川崎区富士見)で、川崎球場時代から使われている照明塔3基が7月4日から順次撤去されるのを前に、さよならイベントが6月25日、同スタジアムで開かれた。川崎球場にゆかりのあるプロ野球界のレジェンド2人が思い出を語った。
トークショーには、最初に川崎球場を本拠地にした高橋ユニオンズでプレーし、長年『プロ野球ニュース』のキャスターを務めた佐々木信也さんと、法政二高出身で日本人初のメジャーリーガーの村上雅則さんが出演した。
佐々木さんはプロ入団後、川崎駅西口方面で生活。自宅から川崎球場まで最初は徒歩で、しばらくしてからは自転車で通うようになったという。夏場に下駄を履いて球場に足を運んだこともあり、その時にはマネージャーに叱られたことを振り返った。現役中は名手として知られた佐々木さん。川崎球場のグラウンドについて「守りやすい球場だった」と述べ、シーズンオフには多摩川沿いでトレーニングに励んだことや引退後、球場裏にニラレバ炒めのおいしい店があり、「それが楽しみだった」と懐かしそうに語った。
村上さんは高校時代、川崎球場近くにあった田丸仁監督(故人)のもとで半年ほど下宿。約60年ぶりの球場訪問となったが、駅周辺の変貌ぶりに驚いた様子。川崎球場について「高校時代に何度も投げた思い出深い場所」と語った。高校3年生の時の「川崎市長杯」の決勝戦では、1週間前に食あたりを起こし、投げられなかったエピソードを紹介した。ガラガラだったスタンドを思い出し、南海時代のある試合では「観客の数が球場の従業員の数と同じだった」と振り返った。
この日はトークショーのほか、スタジアム見学ツアーも実施。ロッテオリオンズの元応援団員だった横山健一さんが球場にまつわるエピソードを参加者に紹介してまわった。
参加者の一人の星川孝宜さん(67)は「高校1、2年生の頃、川崎球場のグラウンドボーイをやっていた頃を思い出した。球場は川崎のシンボル的かつ身近な施設だったことを感じた。トークショーを通じて野球に夢中になっていた頃にタイムスリップした感覚になった。共感を覚える話がいくつもあり、いい時間を過ごすことができた」と語った。
憧れの佐々木さん「ご対面」
さよならイベントには、高橋ユニオンズの大ファンだった高安征夫さん(80・川崎区大島)が参加。憧れだった佐々木さんとの「ご対面」を果たした。
高安さんは中学時代の3年間、高橋ユニオンズを応援。球団が消滅する前年の川崎球場での最後の試合の観戦にも訪れ「来年は頑張れよ」と選手に声援をおくったことを振り返った。
この日は今春、高橋ユニオンズの思い出を書き綴ったボーイスカウトの機関誌を持参し、佐々木さんに手渡した。高安さんは「佐々木さんは私にとっての大スター。現役時代の華麗な動きが印象的だった。多くの野球関係者に(機関誌を)配ったが一番読んでもらいたい方に渡すことができた」と喜んだ。
川崎区・幸区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
マリエンで茶道教室4月19日 |
|
|