9月は世界アルツハイマー月間。川崎市でも、認知症が気になり始めた市民を対象とした予防教室や、認知症高齢者を支える家族や介護事業者向けの実践講座などの取り組みが続いている。
高齢化社会が進む日本では現在、65歳以上の高齢者が人口の約3割を占め、このうち5人に1人が認知症になると国は推計している。2023年10月時点の川崎市の高齢者人口は31万7678人で、国の推計に照らし合わせると、23年時点で約6万3500人の認知症高齢者が生活している。
認知症研究を続ける国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)は、認知症の前段階といわれる「軽度認知障害(MCI)」 の段階で軽い運動と計算やしりとりなどの課題を組み合わせたトレーニングによって、認知機能の低下が抑えられることを明らかにした。同センターはこのトレーニングを「コグニサイズ」と名付け、全国の自治体と連携して普及している。
市でも昨年度からこの「コグニサイズ」を取り入れた講座「アタマとカラダのケンコウチャレンジ」を、市内在住の60歳以上を対象に、市内各地で開催。今年もこれまでに計約1千人以上が参加した。
市は認知症当事者を支える家族や介護事業者に対しても、認知症を改善するとされる生活実践を学ぶ講座「認知症あんしん生活実践塾」を12年から開催してきた。「自立支援介護」を提唱する国際医療福祉大学大学院元教授の竹内孝仁氏らを講師に招き、散歩や水分補給などの適切な生活習慣を実践しながら、半年間の効果を検証する。
「生活実践塾」の今年度の受付は終了したが、「ケンコウチャレンジ」は川崎区で9月25日(水)、幸区で27日(金)に開催予定。申し込みは電話で1週間前まで(【電話】050・8882・2649)。
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