市立中学校で部活動の休養日を週2日以上確保しようと、川崎市教育委員会は先月30日、新たな方針を策定。教職員の長時間労働を見直す施策の一つとして、夏休み中の8月ごろから運用開始を目指す。
今回の「部活動に関わる方針」は、生徒の健全な成長に加え、教職員の仕事と私生活の調和を実現することが狙い。平日と土日で各1日以上、週2日以上の休養日を設定することや、大会出場等で週末の活動が続く時は休養日を振替えることなど、活動時間や休養日の基準などを示している。
対象は市立中学校の部活動で、市立の高校や特別支援学校については原則適用としている。
賛否分かれる
市立小、中、特別支援学校の教職員を対象に市教委が昨年度実施した「勤務実態調査」によると、中学校教職員(回答数1417人)で休日出勤が1カ月に3日以上ある人の割合は75・5%。さらに、同教職員の8割以上が休日の業務に「部活動・クラブ活動」と回答する。
ある学校関係者は「競技未経験の顧問を任され、一生懸命になる先生ほど私生活も返上する状態。本当に大変そう」と漏らす。生徒や保護者からは「勉強とのバランスを考えると週休2日ほどが妥当」という声もある。
一方で、市立中学の吹奏楽部に所属する女子生徒は「楽器は毎日吹かないと上達しないので週2日休みは困る」といった反対意見も。県内で好成績を残す運動部所属生徒の保護者は「先生の長時間勤務は問題」としながら「納得して練習する先生や生徒もいるのでは。一律に当てはめることが気になる」と疑問視する。
部活動のあり方については、全国的に見直しが進められている。国や県は「週2日以上の休養日」を盛り込んだ方針を今春策定。横浜市は今年度から部活動の休養日を週2日以上設けるよう各校に通知し、実施している。
川崎市教委は今回の方針を踏まえた「部活動の活動方針」の年度ごとの策定を各学校長に求め、取り組み状況を確認していくとしている。
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