第68代JR川崎駅長に就任した 宮代 武司さん 千葉県在住 55歳
地元民に好かれる駅に
○…1日の乗降客数がおよそ19万人。市内最大のターミナル駅である川崎駅の駅長として、6月から奔走している。隣の蒲田出身で、85年には同駅改札での業務経験もあり、もともと川崎には親しみがある。当時は「工場とギャンブルの街」というイメージだったが、「最近は、芸術と音楽の街として根付いている。女性の姿も多く見かけるようになりましたね」と、変貌を遂げた街の印象を語る。
○…鉄道マンを志したのは、国鉄職員だった父親の影響。大きな組織で多種多様な経験を積んでいく背中に憧れたという。82年に入社後、駅での貨物入れ替え業務、貨物列車の乗務員に就き、JRへ移行後は山手線の車掌や駅業務を経験。管理部門で人事担当に従事したこともある。駅長としては恵比寿駅に次ぎ、今回が2度目だ。社員とのコミュニケーションを積極的に図り、チームワークを重んじた恵比寿駅長時代からの信念をそのままに、タクトを振る。
○…休日は自宅近くの江戸川沿いをジョギングして汗を流し、月に1、2回はゴルフを楽しむスポーツマンだ。長男は独立し、現在は妻と次男と3人暮らし。旅行好きの一面もあり、最近では佐原や箱根、富士山にも出かけた。電車はもとより、車での旅もお気に入り。「そのうちまた家族で行きたいですね」と、相好を崩す。
○…今秋には東芝の本社機能の一部が駅西口に移転してくる等、利用者の増加が見込まれる。混雑緩和や安全面対策は、喫緊の課題。公私で慣れ親しんだ川崎の変遷に歩を合わせながら、安全で快適な駅づくりに取り組む。また、周辺に多くの商業施設が構える環境に「駅の東側と西側の街を繋ぐ架け橋的な存在も果たしている。電車に乗る乗らないに関わらず、地元の人に好かれるような駅にしたい」という思いも抱く。多くの乗降客だけでなく、川崎の街全体を見つめ、今日も白いブレザーに袖を通す。
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