皆様には、希望に満ちた新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
イノベーション都市川崎
川崎はものづくり都市・国際産業都市として日本の経済成長・発展に貢献してきました。しかしながら、1985年プラザ合意(当時の円ドル相場240円)以降の円高などにより大企業の生産拠点が海外に移転し、生産拠点から研究開発拠点に変化し、先端技術・高度技術を有しながら、約60%のものづくり中小企業が廃業となりました。
2014年版「川崎市統計データブック」によりますと、産業別事業所数製造業は3386事業所、1985年時点では5824事業所で、この間に2438事業所が減少しています。
ものづくり中小企業・ベンチャー企業の発展・成長のため、川崎市政府と川崎商工会議所の連携事業「川崎ものづくりブランド」認定事業を推進しており、今回で11回を迎えました。市内中小企業の優れた工業製品や技術を認定させていただき、国内外に情報発信を通じて応援しております。現在92件認定させていただいておりますが、もっともっと多くの皆様に認定事業へのご応募をお願いいたします。
2014年12月2日読売新聞によれば、大塚明彦・大塚ホールディングス会長は、創業家3代目として、世界初のレトルトカレー「ボンカレー」を開発しています。1968年発売で累計販売数が25億食の大ヒット商品です。その開発のヒントは、真空パックされたソーセージが米軍の携行食に使われていると雑誌で読み、「この技術をカレーと組み合わせたらどうか」と指示したのがきっかけとのことです。「組み合わせの発想」、ものづくりのヒントにしたいものです。
川崎は、陸・海・空に恵まれた魅力的な国際産業都市です。新産業・新製品・新商品・新サービスなどを創出しイノベーションで発展・成長していかなければなりません。
少子高齢化はビジネスキーワード商店街活性化は街づくり・街の元気
昨年4月の消費税引き上げや円安による物価上昇に賃上げが追いつかず、実質的な賃金は低下しており、消費者の節約志向は依然強いものがあります。消費支出は、7カ月連続のマイナスで消費低迷が長引いています。景気回復のエンジン役の個人消費の回復は依然厳しい状況です。創意工夫、自助努力、先進的な発想が求められます。
日本は少子高齢化時代です。あらゆる産業において少子高齢化に合うビジネスモデルの構築が重要です。商店街は高齢者に優しいおもてなしができているか。高齢者のウォンツ・ニーズに合った商品構成、サービスになっているか。時流・底流を先取りしたお客様が求めている商品・サービスの提供が重要です。先進的なトレンドを創造する発想、温故知新の発想で”カイゼン”が求められます。商店街活性化は街づくりであり、街の元気に繋がります。
川崎は音楽の街です。音楽で商店街活性化ができないか。市内には11の商店街連合会があります。例えば、その傘下の商店会でカラオケ音楽祭を開催し、その勝ち抜き者で決勝戦を開催するなど、オール川崎で、「川崎KARAOKE国際音楽祭」を開催して商店街を元気にできないか。地域にある資源・技術・技能を生かし育て、街を元気にしたいものです。
大企業と中小企業・ベンチャー企業の連携産学官の連携・海外との連携
川崎は世界を代表する大企業から、中小企業、小規模企業、ベンチャー企業、中堅企業、研究所などが集積しています。これらの企業は商工会議所の会員でもあり、会員交流会を通じて新しい川崎モデル、好循環モデルをつくりたいと考えております。
川崎市政府、公益財団法人川崎市産業振興財団、大学、KSP、各地域商工会議所などをはじめ諸団体との連携の強化や大田区産業界、多摩川流域産業界との連携を強化したい。
当所は、2015年ASEAN10カ国の経済共同体を視野に、中小企業・ベンチャー企業の発展・成長のために、メコン地域のラオス商工会議所、カンボジア商業会議所、タイ商業会議所、ベトナム・バリアブンタウ省商工局と産業連携協定を締結しました。既に、ベトナム商工会議所も決定しています。また、ミャンマー商工会議所とも進めてまいります。メコン5カ国の人口は約2億3千万人、ASEAN10カ国の人口は約6億人で、市場・マーケットとしても期待できます。
会員の相互間で、あらゆる産業のビジネスマッチングなどwin-winの関係を構築したい。成長戦略は国内が第一ですが、そのためにも海外との連携を含めた成長戦略が重要だと認識しています。
中小企業・小規模企業は街の元気の担い手地域経済活性化の担い手
中小企業・小規模企業は企業数の99・7%を占め、地域経済活性化の担い手であり、雇用の70%を担っています。
当所は、会議所の部会長、分科会長をはじめ、業界代表者、金融機関、大学、学識者などの委員で「川崎市中小企業活性化成長戦略条例」(仮称)の策定会議を開催しています。3月には議員総会で決議いただき、川崎市政府に要望させていただきます。中小企業・小規模企業の元気が街の元気です。農業の精神で、一粒の種からそのステージ・ステージにあった応援をして大きく育てなければなりません。地域産業・経済を活性化し、雇用を拡大させ、好循環に貢献したいと考えております。
川崎の元気から日本の元気へ
川崎は、「国際総合戦略特区」「国家戦略特区」の指定を国から受けています。ライフイノベーションは、超高齢化社会で国内はもとより世界に貢献するもので、国の大胆な規制改革の決断に期待しています。高度先端技術をもつ中小企業の医療機器開発への挑戦に夢を膨らませています。
日本の経済成長・地域経済活性化・日本経済活性化に繋がる基幹産業になる種を多く蒔いていかなければなりません。種を蒔いてこそ花が咲きます。「日本一魅力的な商工会議所に」「日本一働きたい街川崎」「日本一住みたい街川崎」に。皆様の一層のご支援ご協力を心からお願い申し上げます。
皆様にとりまして、飛躍の年、幸多き年でありますよう心から祈念申し上げ年頭のご挨拶といたします。
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