幸市民館は3月10日、平和人権学習・公開講座「戦争を語り継ぐ」を同館で開催する。終戦から70年が経った今年、幸区内での戦争体験を後世に伝えようと企画した。
公開講座を企画した幸市民館によると、第二次世界大戦中にたびたび空襲を受けていた川崎市は、1945年4月15日に最大規模の空襲を受けた。
幸区内では、今の幸警察署の前の国道にあった「都町ロータリー」(円形の交差点)に多くの市民が避難した。そこを1時間余りにわたって爆撃され約200人の市民が亡くなった。市内の罹災者は10万人を超え、空襲で出した死傷者の大半はこの川崎大空襲によるものだという。
市民館では、終戦から70年という節目を迎え、「平和の重要性を訴える良い機会」と、戦争体験を直接聞く講座を設けた。
語り手のひとりに決まっている、さいわい歴史の会の会員で、区内の郷土史料を集め歴史を伝える活動をしている野口始男(はるお)さん(78)は、激しい空襲の記憶や疎開先での体験を語る予定だという。
終戦の年に小学3年生だった野口さんは同年3月に疎開しており、大空襲の被害を免れた。ロータリーの近くに住んでいた野口さんは、開戦後に空襲が始まっては防空壕に逃げ込む恐ろしい体験をしていた。
終戦後、区内に戻った野口さんは、親類や近隣住民から空襲の様子を聴き、その後今に至るまで、当時の史料をまとめる活動を続けている。
野口さんは「若い親子など、戦争を知らず興味のある人はぜひ参加してほしい」と呼びかけている。
戦争の語り手募集
現在、幸市民館では区内の戦争体験者で語り手をしてくれる人を募集中(2月19日(木)まで)。
同時に参加者(聴き手)も募集している(先着30人)。詳しい問い合わせ・申し込みは幸市民館(【電話】044・541・3910)まで。
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