川崎市は4月23日、保育所待機児童数が4月1日時点でゼロになったと発表した。待機児童が解消されるのは、比較可能な統計がある2000年度以降で初めて。福田紀彦市長が最重要課題と掲げて2年間で解消させた。受け入れ枠の拡大や相談・支援体制の強化を進めてきた。
市が発表した資料によると、2015年4月の保育所の申請者数は過去最多の2万5264人で、前年よりも1764人増加した。
市は14年度中に認可保育所と認定こども園を合わせて施設を32カ所増設して定員を2180人増やした。さらに小規模保育所を43カ所増設して定員を364人増やし、今年4月時点の受け入れ枠を確保した。
市内の保育所利用希望者は、人口増加に伴う就学前児童の増加に加え、働く女性の増加や核家族世帯の増加を背景に年々増加してきた。過去10年間の待機児童数をみると、2010年が1076人でピーク。12年(615人)と13年(438人)は2年連続で県内ワースト1だった。
待機児童対策は、2013年に就任した福田紀彦市長の選挙公約の1つ。13年12月に市長をトップに待機児童ゼロ対策推進本部を設置し、取り組みを進めてきた。受け入れ枠を確保するため、認可保育所や小規模保育事業所を整備。各区役所には専門の職員を配置して相談・支援体制を強化し、利用者と施設のマッチングを図ってきた。保育の質を確保するため、基準を満たす施設を助成し、潜在保育士の再就職支援策などにも取り組んだ。
ただ、待機児童ゼロを継続するのは難しい面もある。13年にゼロを実現した横浜市は翌14年に20人を計上した。川崎市は今後も人口増加が予測され、ゼロを達成したことで潜在的な利用希望者が増えるケースもある。
23日の記者会見で福田市長は「今回の待機児童の解消はゴールでなくスタート。継続に向けて必要な地域にしっかりと受入枠を確保し、区役所の相談、支援の充実に努める」などとコメントした。
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