川崎郷土・市民劇上演記念シンポジウム「川崎が生んだ詩人 佐藤惣之助を語る」が4月27日、NEC玉川クラブで行われた。小川信夫さんが描いた川崎市出身の詩人・佐藤惣之助の物語「華やかな散歩」を、5月に市内で舞台上演するのを記念して開かれた。
作品は、惣之助の生き方を現代の目でとらえつつ、惣之助が生きた大正時代の大正浪漫、昭和初期の不穏な空気など時代背景とともに半生を描いている。
シンポジウムでは、小川さんと上演実行委員会の顧問斎藤文夫さん、当時惣之助夫人の花枝さんに琴を習っていた深瀬サダ子さんが当時の思い出を語った。
また、基調講演に立った小川さんは「純粋詩人であった惣之助が、当時流行り出した歌謡曲の作詞家に変貌した原因を追究した。また、心から愛した花枝夫人の死後、すぐに別の女性と結婚した心境の変化を描いた」と見どころを伝えた。
斎藤さんは子どもの頃、惣之助に頭を撫でられた思い出話や詩碑レリーフを造り川崎信用金庫ふれあい広場に建てた経緯などを話した。また、惣之助作詞の「六甲おろし(阪神タイガースの歌)」を引き合いに出し、「阪神が優勝した時は記念碑の前で歌わされた。私は巨人ファンなのに」と話し笑いを誘った。
惣之助の命日、5月15日近辺には川崎今昔会(斎藤文夫会長)と川崎区文化協会(米山実会長)の共催で、「酔花忌(すいかき)」と呼ばれる俳句大会を実施している。
佐藤惣之助は1890(明治23)年から1942(昭和17)年に亡くなるまでの間、詩集や俳句、小説、釣りの本などを出版。33年には歌謡曲「赤城の子守唄」がヒット、「人生の並木道」「湖畔の宿」などの代表作がある。
市民劇「華やかな散歩」(作・小川信夫さん、演出・鈴木龍男さん)は、5月8日・9日・10日に多摩市民館で、22日・23日・24日に川崎市教育文化会館で開催される。
時間・価格など詳細は川崎市文化財団(【電話】044・211・2250)まで。
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