全国で急増する空家問題に対応する『空家等対策の推進に関する特別措置法』が、先ごろ全面施行された。川崎市も同法を適用した制度づくりなどを進めている。
総務省によると、住宅の供給過多と人口減を背景に急増する全国の空家は2013年現在、約820万戸。国は「適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等で深刻な影響を及ぼしており、地域住民の生命・身体・財産の保護などの対応が必要」との観点から同法を制定した。
特別措置法では、老朽化し倒壊の恐れがある家屋や「ゴミ屋敷」といった家屋などを「特定空家等」と位置付け、最終的には自治体の権限で強制撤去までできる。またこれまで困難だった所有者の特定についても、固定資産税の納税情報が利用できるようになり、早期特定が可能になる。
川崎市でも空家数は増加している(表参照)。市は同法について「固定資産税の情報を利用できるようになったことなどは、一歩前進」と評価。施行に伴い今年2月から庁内関係部署による会議を立ち上げ、市としての統一した対応を図るためのルールづくりを進めている。施行をうけ「国から細かく定義づけされている部分もあり、今後の国による説明会を受けたあとに改めて会議を開く」としており、具体的な運用にはまだ時間がかかる見通し。
市が強制撤去した場合の費用を所有者に負担させる制度づくりなど、問題解決への有効なシステムづくりが求められる。
なお、同法に連動し、自治体から勧告を受けた特定空家等にかかる土地は、固定資産税の減免措置対象から除外され、所有者はより早急な対応を図らなければ負担が増えることになる。
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