戦後70年経った今年、戦争の悲惨さを語り継ぐため、区民の体験、区内の風景を通して、幸区に残る戦争の記憶をたどる。戸手在住の相澤正行さん(83)は昨年、体験記をまとめ、母校、御幸小学校で戦争を語る授業を行った。
これまでの人生を個人的に記録にしていた相澤さんは昨年9月、次の年が戦後70年を迎えることから、自身の戦争体験等をまとめた「戦後七十年・御幸小学校の思い出」を書き綴った。 『戦後七十年が近づき、戦争を経験した人が少なくなって、その結果、戦時に関しての語り部も減少し、今のうちに戦争体験を何かに残しておかなければならないと言われています』 とはじまり、御幸小学校のことや学童疎開、空襲などの経験を記録にしている。「もう10年経つと記憶もうすれ、体験者としての話はできないでしょう。だから記録としてまとめました」と相澤さんは話す。
そして、相澤さんは御幸小学校の新校舎が完成した当時、同級生と学校を訪問した際に、6年生の児童を前に集団疎開の話をする機会があった。
昨年度には6年生を対象とした社会科の授業として、戦争体験を語った=写真上。「関心をもって、教室がピーンと張りつめるほど静かに聞いてくれた」
話が終わると児童からの質問が途切れず、「疎開に出発する時の気持ちを聞かせてください」という質問を投げかけられた時は、「グッと胸にきた。この子たちと同じ年齢で疎開に出かけたんだと思うと、言葉に詰まった」と話し、涙が溢れたという。そして、「この子たちに二度とあんな思いはさせたくない」と語った。
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