市内で唯一の社会人硬式野球チーム『相模原クラブ』の監督 岩永 一志さん 横浜市在住 51歳
情熱溢れる理論派監督
○…「おまえ、どうして初球の真っ直ぐを見逃したんだ」「おいおい、しっかり守れ、下手くそ」。1塁側ベンチからは人一倍大きく荒々しい声が響く。昨年、チームは山梨県知事杯で優勝を飾るなど飛躍を遂げた一方、全国大会への出場からは約2年間遠ざかっている。目指すは”自ら考え、自ら実践する野球”。「実現できれば、きっと結果もついてくるはずですよ」
○…野球を始めたのは小学2年生の時。地元・上溝の少年野球チームに所属すると、一際目立つ大柄な身体と持ち前のセンスで大活躍。高校は名門・東海大相模高校へ進学し、内野手として2度の甲子園出場を果たした。ひとつ上の先輩には現巨人監督の原辰徳氏。「甲子園でのプレーは最高の思い出」と振り返る。大学を出て社会人となってからも野球に携わり続け、縁あって知り合った元楽天監督の野村克也氏には結婚式の仲人を務めてもらうなど、球界に広い人脈を持つ。
○…相模原クラブの監督に就任したのは約15年前。当時、「相模原に地元の社会人野球クラブを」との機運が高まり、創設とともに監督に誘われた。これまでも野村氏の夫人がオーナーを務める硬式少年野球チームでコーチとして、チームを全国大会4連覇に導くなど、辣(らつ)腕を発揮。相模原クラブも創設当初こそ、苦戦したが、創部13年目で全国大会へ出場するなど、徐々に力をつけていった。
○…練習や試合の最中、時に荒々しく選手を叱咤激励するのは、もはやチームの名物。情熱溢れる指導者としての顔を持つ一方で、その素顔はデータ重視の理論派だ。相手投手の配球に関しては一球一球を緻密に分析し、選手にアドバイスを送る。「力及ばず負けるのは仕方ない。ただ、力尽くさず負けるのは絶対にダメ」。チームの初陣は3月26日開幕の県春季大会。「俺も未熟。おまえらも未熟。だからお互い支えあって頑張ろう」と選手へ奮起を促した。
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