「ひばり放送」 聞こえていますか? 電話での内容確認も可能
東日本大震災による電力供給不足に伴う、輪番停電の告知など、先週は市の防災行政用同報無線・ひばり放送が幾度となく使用された。情報が錯綜し混乱する中、その状況を市民に伝えようと努める人たちを追った(18日取材)。
市内に設置されている放送塔は約500基。制御をする市危機管理室・予防対策班(中央区中央)では、災害発生日から18日までの1週間で44回、1日平均5・5回の放送を流した。
切り替えたばかり
それと共に「聞こえづらい」という苦情・意見も市の各課・各区役所に間断なく寄せられた。アナウンスはここ数年で、音割れや音声のこもりが多くみられた、従来のアナログ放送から“デジタル”に切り替えたばかり。それだけに、同班では困惑の色を隠せない。対応にあたっているのは5人ほど。「(一週間経過した今では)電話は少し落ち着きましたが、それでもまだ家に帰ることができません」。
緊急情報受信の仕方として、ひばり放送のほかに、市のホームページ(HP)がある。しかし、「情報がある」と言っても、それを見られない環境の人も多いはず。緊急時はHPも混雑する。また、今回の場合、HPを見ても、輪番停電は東電のグループ分けが(変電所や送電線の関係からか)行政の区域とは異なっていたため、市民からすると、分かりづらさが不安に輪をかけた形となった。市広聴広報課では急きょ、簡易リストを作成した。
ブログに転記
こんな混乱を受け、政治家からも行動があった。
輪番停電の予定表を印刷し配布する者。義援金を呼び掛け駅に立つ者。地元地域を回って声をかけたり、状況を聞いたり、時には行政との仲介役となったり…。自分の専門性を生かした活動も見られた。
また、「ひばり放送が聞こえない」との市民の声に応えるために、自身のブログとツイッターに放送の内容を転記し続ける者もいた。
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管理室では、ひばり放送の内容を確認する場合、災害時ダイヤル(【電話】0180・994・839)の利用を推奨している。