共有して助け合いを 市内でも計画停電 問合せ1日1000件以上
東日本大震災の発生により、電力確保のために14日から行われている計画停電。これまでに経験したことのない状況に市内でも混乱が見られ、市役所には連日約1000件以上、多い日で2000件近い問合せがあった(※取材は25日時点)。
朝方生活への切り換え、家族の団らんを増やす、住宅を省エネ対応に
問合せ窓口である市公共建築課によれば、計画停電の開始当初は「グループ分けがわからない」といった内容が多かった。次第に5つのグループ分けが浸透してくると、「市内の中で対象外となる地域もある。色分けされているようで、不公平感を感じる」といった不満の声が増大してきたという。一部の地域が対象外となっていることについては、『国などからの要請を受け、一部の鉄道を計画停電の対象外としたことによるもの』と東京電力は説明。市では「対象地域、対象外地域の不公平の是正は引き続き東京電力に要望していく」としている。
同課では、計画停電に関する情報は市民生活に直結する大切なものと位置づけ、今後もできる限り速やかに市のホームページ(www.city.sagamihara.kanagawa.jp)上で情報を公開していく予定。「不安になる気持ちはあると思うが、混乱せずに冷静な対応をお願いしたい」と呼びかけるとともに、「実施対象とそうでないエリアとがあるが、共通して節電に心がけ、少しでも市民が共有して助け合うことが大切」と話していた。
ライフスタイルを変えるきっかけに
こうした状況において、必要となるのは“節電”の心がけ。市立環境情報センター(富士見)に『今私たちができること、やるべきこと』について尋ねてみた。
「停電がおきて、私たちの生活がどれだけ電気に頼っていたのか、改めて感じることができた」と話すのは同センターの斉藤奈美さん。大量生産・大量消費のシステムを支える資源には限りがあることや、資源に乏しい日本は、エネルギーを得るために大きなリスクを抱えていることなどを知る大切さを説く。その上で、「何が本当の豊かさなのかを考え、今こそライフスタイルを変えるきっかけにしては」と提案している(右表参照)。
身近に実践できる省エネポイントとしては、消費電力量の多い家電(エアコン、冷蔵庫、照明)での取り組みを呼びかける。家電のプラグをつなげるだけで消費電力を計れる消費電力計で現状分析をすることから始めるのも良いのでは、と話していた。なお、消費電力計は同センターで無料貸し出しも行っている。詳細は同センター【電話】042・769・9248まで。