県立上溝南高校(山田和彦校長)は、子どもと地域住民が共に学び考える授業「上南SFP(サイエンス・フレンドリー・プログラム)を立ち上げた。生徒に理科へ興味を持ってもらうと同時に、同校が方針に掲げる「開かれた学校づくり」をめざす狙いがある。先月22日には第1回を開催し、近隣の中学生と地域住民合わせて20人が参加。こうした試みは市内初で、今後も継続的に行っていく。
子どもの理科離れが叫ばれている近年、山田校長は理科への学習意欲の向上はもとより、授業自体が地域交流の場にもなってほしいと、2つの願いを込めて今回の企画を発案。上溝・上溝南中学校や地域住民への呼びかけのもと実現した。
授業テーマは「シルクは未来を救う〜最先端環境科学の現場から〜」。シルクの研究で国内外から注目されている東京農業大学の長島孝行教授を講師に迎え、かつて養蚕業が盛んだった上溝地区にちなみ、シルクについて講義が行われた。最初に座学で基礎知識を学んだ後、長島教授がシルクを使った商品の話を披露。「蚕が、今もいろんな物の役に立っていると知ってびっくりした」と、興味津々といった様子の生徒もいた。
このほか、繭から抽出したシルクタンパクという成分を餅に入れて食感の変化を確かめる実験では、中高生が協力して作業を進めるなど異年齢の交流も生まれ、和気あいあいとした雰囲気で初回を終えた。
山田校長は「同じ教室で住民と一緒に勉強することで地域の結びつきが強くなれば」と今後に期待を寄せた。
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