子どもの健全育成を目的に、保護者や地域住民で組織される「子ども会」。市内では各自治会ごとに編成されているが、近年その数は減少の一途をたどっている。その原因を追うとともに、独自に対策を行っている自治会に取材し、今後の子ども会のあり方を考えた。
現在、市内で活動する子ども会の数は223団体。平成元年の時点では277団体あり、この23年間で50以上減少している。
主な原因として市子ども会育成連絡協議会(藤田清会長)は、役員のなり手不足を挙げる。近年は働く母親が増えたため、忙しさを理由に役員をやりたがらない事例が多くなっているのが現状だ。子どもが低学年のうちは参加するものの、役員を任される高学年にあがると辞めてしまうケースも少なくない。任意団体のため強制力はなく、対策もとりにくい。少子化で子どもの数が減ることから活動内容が限られ、解散や隣の地区との合併を選ぶ会もある。同会では「子どもが遊びながら地域で成長していく、貴重な場が失われつつある」と警鐘を鳴らす。
緑が丘では「育成部」結成
中央区内では、把握できていない地区もあるものの、中央・清新・横山・小山・光が丘の5地区が取材に対し「子ども会は減っている」と回答。「自治会の枠組みを超えて協力し合う」「集まれる施設の設置を市に訴える」「自治会加入を促進する」などそれぞれの対策をとっている。一方で、役員不足で数年前から子ども会の解散が濃厚だった緑が丘2丁目自治会(山澤忠治会長)では、地域と子どもたちとのつながりを保つため、「育成部」という新たなシステムを今年4月から導入している。
これは自治会の中で子どもの行事や活動を支援するもので、部員も自治会から選出している。これまで子ども会と自治会は別組織だったが、統合することにより協力しやすくなった。別々に徴収していた会費は自治会費で補い、金銭面もクリアに。子ども会に参加していたのは30人ほどだったが、自治会としてイベントを開催するので参加者が100人以上に増えるなど、活気が出てきているという。同自治会で育成部顧問を務める吉田政二さんは、「初年度なので課題はまだまだある。それでも、子どもは将来の人材なので、地域で育てていきたい」と今後に期待を込める。
住民の生活スタイルが変われば、組織も変化を迫られる。これまでの形にとらわれず、新しい考え方で子どもたちを見守る必要がありそうだ。
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