長野県松本市の現職市長で医師でもある菅谷(すげのや)昭氏の講演会(主催・相模原地域大学・矢田久雄理事長)が、7月14日相模原市立産業会館で開催された。テーマは「チェルノブイリ原発事故から日本は何を学ぶべきか」。放射能汚染の影響を受けたベラルーシで自ら医療活動に携わった経験から、福島の原発事故に言及、日本人が今置かれている状況を示唆した。講演の中で菅野氏は、医療活動に携わった当時のスライドを示しながら「原子力災害は自然災害と異なり、26年経った今も人が戻れない」と力説。除染の難しさ、健康被害への懸念、事故がもたらしたコミュニティの崩壊など、事実に基づいてわかりやすく解説。「事故の影響を確実に予見することは不可能。事実を受け止める冷静さと、自分の身は自らが守るという意思が求められる」と語りかけ、会場を埋めた約200人の聴衆は熱心に聞き入っていた。